モバイルアプリケーションがユーザーの許可なくスマートフォンのデータにアクセスできるとの報道を受け、米上院議員のCharles E. Schumer氏は現地時間2012年3月5日、米連邦取引委員会(FTC)に対して米Googleの「Android]および米Appleの「iOS」を調査するよう要請したことを明らかにした。
米New York Timesは先週、複数のアプリケーション開発者の談話として、モバイルアプリケーションがAppleのスマートフォン「iPhone」やAndroid搭載スマートフォンに保存してある画像やアドレス帳データを密かにコピーし、場合によってはそれをオンラインで共有することが可能だと報じた(New York Timesの記事)。また2月半ばには、ソーシャルメディア「Path」のiOS向けアプリケーションがiPhoneのアドレス帳の連絡先情報を無断で収集していたことが明るみになり、これを重く見た米下院議員2人がAppleに公開質問状を送っている。Appleは「ユーザーの同意を得ずにアドレス帳データを収集および転送することは当社のガイドラインに違反している」とし、将来のソフトウエアリリースで対応する意向を示した。
しかし、Path以外にも複数のアプリケーションが同様の動きをしているとの報告が相次いだほか、iOSアプリケーション開発者の間ではユーザーのアドレス帳の連絡先情報にアクセスするのは一般的なことだという見解もある(関連記事:Apple、連絡先情報の無断収集問題でソフトを修正へ、下院議員の指摘受け)。
さらにSchumer議員が引用した複数の技術者の報告によれば、iOSではユーザーが位置関連アプリケーションに位置情報へのアクセスを許可すると端末上の写真およびビデオファイルの入手およびアップロードも許可してしまい、Androidではインターネット機能の使用を許可するだけでフォトアルバムへのアクセスが可能になるという。
Schumer議員は、「スマートフォン開発者は、ユーザーのプライベートなコンテンツを保護する義務があり、無断でアップロードおよび配信可能な個人情報の宝庫にさせてはならない」と述べ、広範な調査が急務だと呼びかけた。同議員はFTCに対して、同意を得ないままの個人情報のコピーおよび配信が不公正かつ欺瞞的な取引慣行に当たるか判断するよう求めている。
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