写真1●4つのCPUコアで動作周波数が変化する様子を見せるデモ
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写真2●LTEの通信でタブレット端末とスマートフォンに同じ動画を配信
写真2●LTEの通信でタブレット端末とスマートフォンに同じ動画を配信
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写真3●スマートフォンを2台使ったIEEE 802.11ac方式による通信のデモ
写真3●スマートフォンを2台使ったIEEE 802.11ac方式による通信のデモ
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 無線チップメーカーの米クアルコムは、2012年2月27日から開催されている「Mobile World Congress 2012」の会場で無線関連の技術デモを展示している。スマートフォン向けのアプリケーションプロセッサー「Snapdragon」や、多数のユーザーに対するLTE方式の送信技術、高速無線LAN「IEEE 802.11ac」などをデモしていた。

 同社の「Snapdragon」は最大で4つのCPUコアを搭載する。それぞれのコアで動作周波数を個別に変えられる仕組みとなっているのが特徴。複数のコアが同じ動作周波数で駆動する他社製のプロセッサーと比べると3割程度の電力消費を低減できるとする。会場ではタブレット端末が備える4つのCPUにそれぞれ1つずつ動画を再生させながら、それぞれの動作周波数を表示するデモを実演していた。

 LTEの電波で多数のユーザーに同じコンテンツを配信するeMBMS(evolved multimedia Broadcast multicast service)技術のデモでは、タブレット端末とスマートフォンで同じ映像を受信し、表示する様子を見せていた。スウェーデンのエリクソンと同時に開発を進めているもので、電波は別の建物にあるエリクソンのブースから飛ばしているという。例えば、スタジアムでスポーツを観戦している多数の人に同じ映像を見せるといった使い方を想定している。

 IEEE 802.11acは1Gbpsを超える通信速度を規定する次世代の無線LAN規格。通信チップは子会社の米クアルコムアセロス製。スマートフォン間で通信をしながら、その速度を画面に表示するデモを実演していた。11ac方式での通信速度は200~230Mbps。その隣で同じテストをしていたIEEE 802.11nのスマートフォン間では40~45Mbpsという値だった。