写真●「11acに対して6カ月遅れ」、ミリ波無線団体「WiGig」議長が語る
写真●「11acに対して6カ月遅れ」、ミリ波無線団体「WiGig」議長が語る
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 60GHz帯のミリ波を使う高速無線インタフェースの業界団体「WiGig(The Wireless Gigabit Alliance)」(関連記事)の会長であるAli Sadri氏は、Mobile World Congress 2012の会場で日経エレクトロニクスのインタビューに応じ、同団体の活動状況について語った。

 それによれば、WiGig準拠の機器をロゴ認証するプログラムは、2013年の後半から始まる予定という。当初は2012年中という目標も示していたが、開始予定が後ろにずれ込んだ格好である。5GHz帯を使うもう一つの次世代無線LANである「IEEE802.11ac」に関するロゴ認証(Wi-Fi Allianceによるもの)は、2012年末から2013年初めには開始されるとみられていることから、「11acに比較すると、6カ月ほど遅れて進んでいる」(Sadri氏)という。

 WiGigが利用するIEEEの無線規格はIEEE802.11adであり、この規格は11acよりも先に、ほぼ仕様が固まっていた。にも関わらず、ロゴ認証開始が11acの方が先に始まる予定で、逆転してしまったことについてSadri氏は「11acの方が無線ICを作りやすいからだろう。11acは、構成面では11nとそれほど大きな違いは無い。一方で11adは、ミリ波を活用するということもあり、より開発が困難である」と、ミリ波IC開発の方が難易度が高いためとした。

 一方で、WiGigの有力メンバーに中国Huawei社や中国ZTE社が加わったことに触れ、「WiGigのエコシステムは引き続き拡大している」と、普及に向けた仲間作りは着々と進んでいるとの認識を示した。