10.1型の学習用タブレット「JL-T100」
10.1型の学習用タブレット「JL-T100」
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「液晶画面を取り囲む枠の幅が大きいデザインにしたのは、手のひらや手首を安定して置いて手書き入力しやすくするため」とシャープの田中氏
「液晶画面を取り囲む枠の幅が大きいデザインにしたのは、手のひらや手首を安定して置いて手書き入力しやすくするため」とシャープの田中氏
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JL-T100とシャープ製電子黒板「BIG PAD」を組み合わせて授業を進める様子をデモした。教師が数学の一次関数の問題を出し、1人1人の生徒がJL-T100上でグラフ描画した後、成果物を電子黒板に表示しているところ。黒字は生徒が手持ちのJL-T100で書き込んだもの、赤字はそれを見て教師が電子黒板上で添削したもの
JL-T100とシャープ製電子黒板「BIG PAD」を組み合わせて授業を進める様子をデモした。教師が数学の一次関数の問題を出し、1人1人の生徒がJL-T100上でグラフ描画した後、成果物を電子黒板に表示しているところ。黒字は生徒が手持ちのJL-T100で書き込んだもの、赤字はそれを見て教師が電子黒板上で添削したもの
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JL-T100は教科書フォント「モトヤ教科書2/3/4」を搭載する(左側の「表」「改」)。ゴシック体(右側)では分からないハネ、トメなどを参考にできる
JL-T100は教科書フォント「モトヤ教科書2/3/4」を搭載する(左側の「表」「改」)。ゴシック体(右側)では分からないハネ、トメなどを参考にできる
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 シャープは2012年3月1日、10.1型の学習用Androidタブレット「JL-T100」を発表した。画面に手のひらが触れても反応しにくい方式の液晶を採用、手書きしやすいのが特徴。小学校低学年から中学生を対象とする。

 JL-T100の特徴は、1)手書き機能を重視した設計、2)学習支援ソフト搭載、3)電子黒板などほかのICT(情報通信技術)機器との連携――の3つ。

 JL-T100は、手のひらが画面に触れても反応しにくく、紙に記入しているような感覚で使える。「書いて覚えることが学習の基本」(シャープ 通信システム事業本部 パーソナルソリューション事業部 ソリューション企画部 田中淳司部長)という設計が開発の背景にある。画面は蛍光灯の映り込みを防止するノングレアタイプで、専用のスタイラスペンを使い、最小0.5mm程度の太さの細かい字を画面上に書ける。

 学習支援ソフトはランチャーソフト「ホームメニュー」、PDFなどの教材を表示してメモやノートを取れる「教科書・ノート」、授業などの動画や音声を再生する「動画・音声」の3種類を搭載する。電子教科書コンテンツは付属しない。「ホームメニュー」は、JL-T100のホームボタンを押すと現れる画面で、各種のコンテンツのアイコンを並べることができ、このアイコンをタップしてアプリを開く。「教科書・ノート」は、教材を表示して、その上に紙に書き込むような要領で、手書きで文字を書き入れたり、線やハイライトを付けたりできる。検索やしおり機能も搭載する。「動画・音声」は通常の動画再生に加え、可変速機能とチャプター機能が付く。ネイティブの発音を緩急を付けて聴くといった語学のリスニング学習に効果的という。

 JL-T100は、電子黒板をはじめとするほかのICT機器と無線LAN/Bluetoothで接続できる。生徒の作業画面を教師側の電子黒板に映し出したり、教師が問題を生徒のJL-T100端末に送り込んだりといった、インタラクティブな授業が可能になる。ただし、このためのアプリや配信システムの構築が別途必要になる。

 シャープは今後、情報関連機器のシステム販売を手掛けるシャープシステムプロダクトと営業活動を通して販売していく。価格はオープン。顧客のシステム構成により価格は異なり、「1台4万円以下を考えている」(田中氏)。個人向け販売の予定はないという。

 JL-T100の主な仕様は以下の通り。OSにAndroid 2.3、CPUにデュアルコアのルネサスモバイルEMMA Mobile EV2を採用する。タッチパネルの画面解像度は1024×600ドット。ノングレア液晶で抵抗膜方式を採用する。メモリーは4GB、512MBのRAMを内蔵する。外部インタフェースはmicroSD(SDHC)、無線LAN(b/g/n)とBluetoothに対応する。バッテリー駆動時間は静止画表示時で約7.5時間、動画再生時は約6.5時間。本体寸法は幅278×奥行き180×高さ14mm。重さは約650g。