スペイン・バルセロナで開催中のモバイル関連機器や技術の展示会「Mobile World Congress 2012」(MWC2012)において、NokiaがWindows PhoneやSymbianを含む最新端末を発表している(関連記事:ノキア、Windows Phoneに中心軸を置いた戦略を加速)。ここでは発表会をはじめ、展示会場などで集めた情報をまとめて、これらの新端末についての詳細を紹介する。

低価格のエントリーWindows Phone端末「Nokia Lumia 610」

写真1●Lumia 610を発表するNokiaのスマートデバイス担当EVPのJo Harlow氏
写真1●Lumia 610を発表するNokiaのスマートデバイス担当EVPのJo Harlow氏
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 MWC2012で、Nokiaが「第4のLumia」として発表したのが「Lumia 610」だ(写真1)。Windows Phone端末としては、最初のWindows Phone 7と同時に発売された第1世代、Windows Phone 7.5に合わせて発売された第2世代に続く、第3世代の端末という位置づけになる。

 Nokiaはハイエンドモデルからそれぞれ900、800、700番台のモデルナンバーを採用している。今回の610は、そのさらに下で同社初のローエンドに属するLumiaとなる。これによりWindows Phoneのユーザー体験を継承したまま、より安い価格で新興市場や若年層に向けて提供するのが狙いだ。

写真2●Lumia 610のプロダクトマネージャーのJudy Wang氏
写真2●Lumia 610のプロダクトマネージャーのJudy Wang氏
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 Lumia 610のプロダクトマネージャーであるNokiaのJudy Wang氏(写真2)によると、ターゲットとしている年齢層は18~24歳で、他のLumiaよりも若い層を狙う。4色のカラーバリエーションも用意している。

 低価格端末ということもあり、スペックはプロセッサがQualcommのMSM7227A(Snapdragon S1)の800MHz、搭載メモリーは256Mバイトとなっている。既存機種からのスペックダウンによる性能の低下が心配されるが、「Windows Phone特有の操作感を損なわないように開発した。実際に触れて確かめてほしい」(Wang氏)と自信を示した。

 ストレージとしてはLumia 710と同等の8Gバイトを搭載。画面サイズはLumia 800や710と同じ3.7インチだが、通常のLCDとなっており、ClearBlackパネルではない。バッテリー容量は1300mAhで、W-CDMAにおける通話時間は9時間30分、待ち受け時間は720時間。動画再生は7時間、音楽再生は35時間となっている。

写真3●低価格モデルLumia 610(シアン)
写真3●低価格モデルLumia 610(シアン)
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 通信規格はGSMが850/900/1800/1900MHz、W-CDMAが850/900/1900/2100MHzに対応する。今後数カ月以内にCDMAにも対応し、中国市場への投入も予定している。

 カラーバリエーションはシアン(写真3)、ホワイト、ブラック、マゼンタの4色。サイズは119x62x12mm、重さは131.5gとなっている。価格は189ユーロで、2012年第2四半期に発売する。