写真●ヴイエムウェア、ストラテジックアライアンステクニカルアライアンスマネージャの小松康ニ氏(写真:中根 祥文)
写真●ヴイエムウェア、ストラテジックアライアンステクニカルアライアンスマネージャの小松康ニ氏(写真:中根 祥文)
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 「クラウドを構築して運用していくためには、運用管理の仕組みが重要になる」。ヴイエムウェアの小松康ニ氏は2012年2月29日、クラウドコンピューティング専門展「Cloud Days Tokyo/スマートフォン&タブレット/ビッグデータEXPO」で講演。クラウドを運用していくために必要になる技術要素や製品動向について解説した(写真)。

 小松氏は、ユーザー企業にとってのクラウドへの道筋(インフラのロードマップ)を、(1)サーバー仮想化技術の部門導入、(2)サーバー仮想化技術の全社導入、(3)プライベートクラウドの構築、(4)ハイブリッドクラウド化--の4段階になると説明。このプロセスの過程で、運用面での大きな壁となるのが、プライベートクラウドの構築であるとした。

 講演では、クラウドの構築/運用を助けるためのヴイエムウェアのビジョンと、2012年以降にユーザーが実際に使えるようになる製品技術について解説した。具体的には、クラウド基盤(仮想化インフラ)の運用管理機能を中核に、エンドユーザーによるアプリケーション利用環境の新規技術について説明した。

クラウドインフラの運用管理ソフトを拡充

 小松氏はまず、「プライベートクラウド化には運用管理が需要になる」と力説。実際に、ヴイエムウェアでは、クラウド基盤の運用を助ける機能群として、基本ソフトであるvSphere 5の上に、さまざまな運用管理ソフトを提供している。「vCloud Director」(マルチテナント型クラウド運用)、「vShield」(セキュリティ)、「vCenter Operations」(運用監視/管理)、「vCenter Site Recovery Manager」(レプリケーション/災害復旧)、などである。

 同社が直近にリリースしたソフトには、vCenter Operations 5.0(2012年1月26日に販売開始)がある。同ソフトを使えば、クラウドが問題なく動いているかどうかを、ダッシュボードで俯瞰できる。小松氏は講演で、同ソフトのダッシュボード画面を見せて機能を説明。ダッシュボードには、大きく三つの数値が表示される。ヘルス(現在進行中の問題を数値化したもの)、リスク(近い将来の課題を数値化したもの)、エフィシエンシ(最適化の余地を数値化したもの)である。

 ダッシュボード上に表示する三つの数値は、さらに細かい項目に分かれる。例えば、ヘルスでは、ワークロード(負荷)、アノマリー(いつもと違う異常な状態)、フォルト(エラー発生状況)の三つを考慮した値となる。ワークロード(負荷)は、いわゆるCPU使用率ではなく、容量(キャパシティ)当たりの最大需要を示す。アノマリーは、統計データから自動的に計算した平常状態(しきい値)を外れているかどうかを示す。