TISは2012年2月27日、連結会計システム構築サービス「TIS 制管一致連結会計ソリューション for HFM」を発表した。IFRS(国際会計基準)対応をにらみ、制度会計業務と管理会計業務を同時に実行する制管一致の仕組み作りを支援する。4月1日に提供を開始する。

 同サービスでは、システム基盤として日本オラクルの連結会計パッケージソフト「Oracle Hyperion Financial Management(Oracle HFM)」を使う。財務諸表を作成する制度会計と、経営情報を作成する管理会計を一つの業務の流れとして、同じシステムで処理できるようにするのが狙いだ。

 構築前のコンサルティングサービスと、システム構築サービスで構成する。コンサルティングサービスでは、制管一致による連結会計業務を実施する上で、ユーザー企業が解決すべき課題を整理。同時に、Oracle HFMを効率的に導入するための準備作業を支援する。

 システム構築サービスでは、Oracle HFMに加えて、日本オラクルが用意する「JSK(Japan Starter Kit)2」と、TIS独自のテンプレート「システム対応テンプレート」を使う。JSK2はOracle HFMを日本の制度会計業務に対応させるための導入ツール群。システム対応テンプレートは、連結決算に必要な業務プロセス、IFRSや日本基準など複数の会計基準に対応させるための機能、IFRSに対応した注記項目のレポートなどで構成する。これまでTISが構築してきた制管一致型連結会計システムのノウハウを盛り込んでいるという。

 コンサルティングサービスの料金は、主要な連結対象会社2~3社に対して2カ月程度で実施した場合の参考料金が300万円(税別)。調査対象会社の数など各種条件により変動する。システム構築サービスの料金は、最短の導入期間である5カ月で実施した場合で2000万円(同)から。連結対象会社の社数や追加要件などにより変動する。Oracle HFMのライセンス料金やハードウエアの費用は別。

 TISによれば、近年は大企業を中心に制管一致型の連結会計システムを実現するニーズが高まりつつある。IFRS対応の必要性に加えて、事業のグローバル化により、連結対象会社の経営情報を正確にかつ素早く把握する必要性が増しているからだ。TISの中村清貴ITソリューションサービス事業部事業部長兼ITソリューションサービス企画部部長は、「日本オラクルとTISそれぞれが持つ方法論やノウハウを適用することで、質の高い制管一致の連結決算システムを短期間で確実に構築できる」としている。