米Appleは、スマートフォンなどモバイル端末向けアプリケーション(アプリ)の検索技術を手掛ける米国の新興企業、Chompを買収した。複数の海外メディアが現地時間2012年2月24日に報じた。

 Chompは米サンフランシスコに拠点を置く企業。2010年1月にiPhoneなどiOS向けの同名のアプリを公開し、2011年2月には、Android向けアプリも公開した。米BloombergによるとAppleは買収金額を明らかにしていないが、買収の事実については認めている。事情に詳しい関係者の話として買収金額は5000万ドルと伝えている。

 Chompは独自のアルゴリズムを使って、アプリの目的やテーマを学習する。ユーザーの嗜好(しこう)に合わせたレコメンデーション機能もある。Appleも「Genius」と呼ぶ、パーソナライズ機能を持っているが、Chompを買収したことでさらに改良が必要であることを認めた格好だと英Financial Timesの記事は伝えている。

 アプリは、消費者がスマートフォンの購入を決める際に重要な要素。一方、開発者にとってAppleの「App Store」は最も収益を上げられるアプリ配信プラットフォームである。しかし「膨大な数のアプリの中で何が人気で最新のアプリであるかを素早く的確に示す必要があり、Appleは今までところこの分野で成功しているとは言えない」とFinancial Timesは指摘している。