IDC Japanは2012年2月22日、国内中堅中小企業の2012年のIT市場規模が前年比1.5%増の3兆5385億円になるとの予測を発表した。東日本大震災の復興需要などが寄与し、北海道・東北地方を除く各地域がプラス成長に回復する見込み。

 2011年の同市場は前年比6.3%減の大幅なマイナス成長を記録したが、2012年は復興需要によって業績が改善。多くの企業が凍結されていたシステムの刷新、新規開発の再開などを行うことでプラス成長に転換するという。

 産業分野別では、情報サービスで同2.6%、サービスで同2.0%と比較的高い成長率を予測。その一方で、電力不足問題や円高、欧米経済の混乱などで経済環境の回復が不透明なため、依然として、多くの中小企業でIT支出の抑制傾向が続くという。

 地域別では、本格的な活動再開が遅れている企業の多い北海道・東北地方が同1.7%減とマイナスにとどまるが、他の全地域でプラス成長になる見込み。特に近畿地方(前年比2.0%増)、九州・沖縄地方(同1.9%増)は復興需要に加え、東日本から一部機能をシフトする企業が拡大して高い成長率になるという。

 2013年には、被災地域でも大企業の拠点が相次いで設置されていることから、プラス成長に回復する見通し。復興事業で「スマートシティ」構想が挙がっていることから、IT支出のさらなる拡大が見込まれるという。