写真●「CYBERMAIL EMERGENCY Σ」の概要
写真●「CYBERMAIL EMERGENCY Σ」の概要
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 2012年2月22日、メールシステム開発のサイバーソリューションズは、災害などでメールシステムが使えなくなった場合に備え、代替メールシステムを提供するBCP(事業継続計画)対策サービス「CYBERMAIL EMERGENCY Σ」の提供を2012年3月5日に開始すると発表した(写真)。メールアドレスを変更することなく待機系に切り替えられるのが特徴。1アカウント当たりの価格は月額120円である。初年度100社、3年間で500社への提供を目指す。

 システム障害や停電、災害などでメールシステムが運用できなくなった際に、サイバーソリューションズが運用する待機系システムに切り替えることで、社員はメールを継続して利用できる。Webメール機能を備えており、災害のため自宅待機を迫られた社員でもインターネット接続環境があれば利用可能だ。

 同サービスは、一般的な電子メールが備えるセカンダリメールサーバーの仕組みを応用したものである。一般に、稼働中のメールサーバーがダウンした場合、セカンダリメールサーバーが一時的に受信メールを蓄積し、復旧後にメインのサーバーに引き渡す。だが、セカンダリメールサーバーは受信メールを蓄積するだけで、メール閲覧や送信の機能は持っていない。

 サイバーソリューションズは、このセカンダリメールサーバーおよび、同サーバーと連動したSaaS型メールシステムの運用を引き受ける。稼働中のメールシステムがダウンした場合、サイバーソリューションズはセカンダリメールサーバーが受信したメールをSaaS型メールシステムに転送し、受信したメールを社員が閲覧できるようにする。

 これにより、メールアドレスのドメイン名を切り替えることなく、社員用メールシステムの運用を継続できる。メールシステムを丸ごとバックアップする手法と比べ、BCP対策コストを抑えられるという。ただし、ダウンしたメールシステムが受信済みの未読メールは閲覧できない。