南相馬市(市長は桜井勝延氏)、「南相馬チャンネル」北陸地域映像提供実験支援協議会(会長は北陸総合通信局長の齊藤一雅氏)および東日本復興支援コンソーシアム設立発起人会(設立発起人代表は桜井勝延南相馬市長)は2012年2月20日、東日本復興支援コンソーシアム設立発起人会を開催した。

 東日本復興支援コンソーシアムは、これまでの南相馬チャンネルに関する取り組みを踏まえ、同チャンネルの視聴対象の全国拡大を経て、オール被災地の情報をオールジャパンの避難者に届ける「東日本復興チャンネル」の仕組みに発展させることを目指す。南相馬チャンネルは、ホワイトスペースを使って南相馬市でテレビ/ワンセグによる情報提供を展開するとともに、遠隔地に避難した住民に対して通信回線経由でテレビで故郷の様子を伝えている。

 また北陸地方においては、「南相馬チャンネル」北陸地域映像提供実験支援協議会に参加する企業の協力で、インターネット回線経由による視聴を実現している。これを「全国に展開する」あるいは「南相馬市だけでなく、周囲の被災地の情報も発信する」という形に発展させようという試みである。コンソーシアムは、こうした運営を支援するために設立を予定するものである。

 設立発起人会は、東日本復興支援コンソーシアムの設立に向けて、同コンソーシアムの会員及び企業CSR広告の広告主を募集する。南相馬チャンネルの視聴エリア制限は、2011年度内に解除する予定である。この結果、国内のテレビ/パソコンはもちろんのこと、海外からもパソコンなどで視聴可能になる。今後の予定では、2011年度内に設立総会を実施し、全国の避難者からの視聴者支援の申し込みを受け付けるとともに、現地のサポート体制を整備する。4月以降に、全国の避難者に対する視聴者支援を開始する。

 発起人会では、発起人がそれぞれの立場からこのコンソーシアムに対する思いや期待を述べた。南相馬市の桜井市長は謝意を述べ、この試みが少しでも被災者を勇気付けることになればと期待を表明した。さらに、「ともすると被災地という扱いをされがちだが、支援する側支援される側という構図は、私は余り好んでいません。いま災害を受けたからこそできる被災地の人々の力もある。日本という国が素晴らしい技術立国であるということを世界に発信していく必要がある。今こそ国力を世界中に示すときである。残念ながらまだまだ解決の道筋は遠いとは思うが、皆様から寄せていただいた熱い思いをもとに、被災地から新しい時代を作り上げる一つのキッカケになればと考えている」と述べた。

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