SoftBank 4G対応のモバイルルーター「ULTRA WiFi 4G 101SI」
SoftBank 4G対応のモバイルルーター「ULTRA WiFi 4G 101SI」
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 ソフトバンクモバイルは2012年2月20日、TD-LTE(AXGP)方式の移動体通信サービス「SoftBank 4G」を2月24日に開始すると発表した。東名阪と札幌、福岡近郊を皮切りに、下り最大76Mbps/上り最大10Mbpsのサービスを始める。当初は完全定額制だが、2012年10月以降に準定額制に改める。これは、月間の累計データ通信量が5GBを超えた場合に、追加料金を払って高速通信するか、追加料金を払わず低速通信するかを選択する仕組みになる。

 2012年3月末時点のサービスエリアは、札幌市、さいたま市、千葉市、東京23区、横浜市、川崎市、名古屋市、大阪市、神戸市、福岡市、北九州市とその周辺地域。同社では2013年3月末をめどに、人口カバー率で「政令指定都市の99%」(ソフトバンクモバイルの発表資料)までエリアを拡充する方針。

Xiと同様の準定額体系を採用

 SoftBank 4G向けの通常の料金体系は「4Gデータし放題フラット」の1種類。月額料金は5985円で、別途「4Gデータ通信基本料」が月額525円かかるため、合計で6510円である。2012年9月分までは、この金額で上限なく利用できる完全定額制としてサービスを展開する。2012年10月以降は、月間の累計データ通信量が5GBを超えると、通信速度が下り/上りとも最大128kbpsに制限される。この場合、超過分のデータ量2GBごとに2625円を追加で支払うと、速度制限が解除され高速通信できるようになる。この仕組みは、NTTドコモのLTE方式のサービス「Xi」(クロッシィ)の料金体系と同様の仕組み。ただしNTTドコモの速度制限は月間累計7GB超としているが、SoftBank 4Gでは5GB超で制限するようにしている。

 帯域制御も実施する。「3日前~1日前の3日間のデータ通信量の累計が1GBを超えた場合、その日の通信速度を遅くするという制限を行う。ただし通信を完全に遮断することはしない」(ソフトバンクモバイル広報部)。また、プロトコルによる制限については、(1)VoIPを利用する通信、(2)MPEG/AVI/MOV/BMP/JPEG/GIFなどの動画・画像ファイル、(3)動画や高画質映像の閲覧を伴うWebサイトやアプリなどで、大量のデータ通信または長時間の接続を伴う場合――に、「通信速度の制御やファイルの最適化を行う場合がある」としている。ただし、いずれも通信を切断することはないとしている。

SoftBank 4Gエリア外ではULTRA SPEED

 2月24日のサービス開始時点で提供する端末は、モバイルルーター「ULTRA WiFi 4G 101SI」の1機種。同製品では、TD-LTE(AXGP)のエリア内では下り最大76Mbps/上り最大10Mbpsで、エリア外では3G方式の既存サービス「ULTRA SPEED」に接続して下り最大42Mbps/上り最大5.7Mbpsで通信可能。同時接続可能な子機は最大10台。連続通信時間はTD-LTE(AXGP)接続時が3時間、3G接続時が3.5時間。ただし、外付けのバッテリーパックを標準添付しており、内蔵と外付けのバッテリーを併用すると9時間の連続通信が可能としている。本体サイズは幅64×奥行き100×厚さ16.1mm、重さは110g。

 なお同社では、4月30日までの申し込み分を対象として2種類のキャンペーンを実施する。1つは、同日までにSoftBank 4Gに申し込んだすべての契約者が対象で、4Gデータし放題フラットの月額料金を永年4980円とするもの。もう1つは、同社のスマートフォン、iPhone、iPadを契約しており、「パケットし放題フラット for スマートフォン」など所定のパケット定額制サービスに加入しているユーザーが対象で、4月30日までにSoftBank 4Gを追加で契約すると、4Gデータし放題フラットの月額料金を永年3880円に、4Gデータ通信基本料を永年無料にするという内容。