大阪府北部の中核医療機関である淀川キリスト教病院とNTT西日本は2012年2月21日、企業健康保険組合へのクラウドサービスを活用した遠隔健康指導のトライアルを発表した。2月22日から7月31日まで日本公文教育研究会の健康保険組合を対象にトライアルを実施して、有効性を検証する。

 トライアルではNTTスマートコネクトのクラウドサービス「遠隔健康相談サービス」をベースに、特定保健指導(メタボ検診)向けにカスタマイズしたサービスを利用する。淀川キリスト教病院と日本公文教育研究会にテレビ電話「フレッツフォン」を設置し、保健師と指導対象者がネットワーク経由で対面して指導できるようにする。

 フレッツフォンと連携できる体重計や血圧計、歩数計を利用して、指導対象者のデータをNTTスマートコネクトのサーバーに保存する。対象者自宅のパソコンからブラウザを通じて、体重などの数値をサーバーに保存することも可能にする。

 特定保健指導は6カ月間継続するものであるが、継続率の向上が課題になっている。淀川キリスト教病院の渡辺直也 健康管理増進センター センター長は「これまでの遠隔健康指導は電話を利用していた。保健師と対象者がテレビ電話で対面して会話したり、データや資料を画面に出したりすることで、対象者が継続して指導を受けるモチベーションを高めたい」とした。