米Appleと台湾HTCの間で争われている特許侵害訴訟に関して、米国際貿易委員会(ITC)は現地時間2012年2月17日、Appleによる特許侵害はないとする判断を下した。

 ITCはHTCによる要請を受けてAppleに対する調査を2010年6月に開始した(関連記事:米国際貿易委、HTCの要請に応じてAppleのiPhoneなどを調査へ)。HTCは、モバイル電子機器の電源管理システムなどに関する5件(米国特許番号「6,999,800」「5,541,988」「6,320,957」「7,716,505」「6,058,183」)の特許が侵害されたと主張していた。

 その後、183特許は調査の対象から除外され、担当の行政法判事(ALJ)は2011年10月に、残る4件の特許についてAppleによる侵害は無いとの仮判断を下した。HTCはこれを不服として再審請求を申請し、ITCは800特許のみについて見直すことを2011年12月に決定。最終的に、Appleによる800特許の侵害は認められないと結論づけた。

 HTCは連邦巡回区控訴裁判所に上訴することができるが、HTCが勝つ見込みは低いという特許専門家の意見を米メディア(InfoWorld)が報じている。

 AppleとHTCは相互に特許侵害訴訟を起こしており、ITCは昨年12月、HTCによるApple特許1件の侵害を認定し、HTCに一部製品および関連ソフトウエアの米国への輸入差し止めを言い渡した(関連記事:ITC、HTCによるApple特許1件の侵害を認定、4月から輸入差し止め)。HTCは該当する技術を製品から取り除くことで対処している。

[発表資料(PDF文書)]