図1●写真1●iPad用アプリケーション「Avaya Flare」シリーズの動作画面例
図1●写真1●iPad用アプリケーション「Avaya Flare」シリーズの動作画面例
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写真2●米アバイアのエンツォ・シニョーレ UCプロダクトマネジメント担当バイスプレジデント
写真2●米アバイアのエンツォ・シニョーレ UCプロダクトマネジメント担当バイスプレジデント
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 米アバイアのユニファイド・コミュニケーション(UC)分野における製品強化が急ピッチで進んでいる。UC分野の製品責任者である、エンツォ・シニョーレ UCプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントが2012年2月16日に来日して取材に応じ、製品戦略を明かした。

iPad用UC、BYOD向け暗号化製品を投入

 まず、操作性能を重視したエンドユーザー用コミュニケーション・ソフト製品群「Avaya Flare」シリーズのiPad版(英語版、写真1)を1月に出荷した。日本語版も2月中にもリリースする。

 また、社員個人のデバイスで業務を実施するBYOD(Bring Your Own Devices)への関心の高まりに応えるべく、そうしたデバイスと社内インフラとのコミュニケーションの安全性を確保するアプライアンス製品「Avaya UC-Sec」も2012年5月に投入する。

 前述のAvaya Flareシリーズは、「Avaya Flare Communicator」と「Avaya Flare Experience」の2製品から成る。前者は音声会議やチャット、プレゼンス機能を提供するソフト。後者のExperienceは、画面共有やビデオ会議機能などを備える。通信相手の画像を画面中央にドラッグアンドドロップすることで会議が開催できるなど、直感的な操作でコミュニケーションを開始できる。当面は2製品ともiPad版のみだが「今後、AndroidやWindows、Mac OSなどに動作環境を広げる計画だ」(シニョーレ氏、写真2)。

 一方、BYOD分野に向けて出すアプライアンスサーバー、Avaya UC-SecはSIPベースのアプリケーション間通信にセキュアな処理を施す機能を搭載している。同社ではエンドユーザー用ソフトAvaya Flareによる、社内ネットワークを介しての電話やビデオ会議、プレゼンスなどをコントロールするサーバーとして「Avaya Aura」を既に販売しているが、こうした通信を暗号化できるようになる。

 しばしばBYODで課題として挙がるのは、ユーザーが個人利用で使っているSNSなどのプライベートなトラフィックと、仕事で使う社内コミュニケーションのトラフィックをどう隔離するかだ。現状、社外から社内ネットワークへのアクセスで安全を確保する手段として、VPNが使われることが多いが、これだとエンドユーザーのプライベートなトラフィックも社内ネットワークを流れるためセキュリティポリシー上望ましくない。一方、UC-Secでは、そうしたプライベートなトラフィックがやり取りされるなかでも、Avaya Flareによる通信は安全に保てるという。