写真1●3万円切るデュアルコア搭載Androidタブレット「eden TAB」
写真1●3万円切るデュアルコア搭載Androidタブレット「eden TAB」
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●キングソフトの沈 海寅代表取締役社長
写真2●キングソフトの沈 海寅代表取締役社長
[画像のクリックで拡大表示]

 キングソフト子会社のMobile In Styleは2012年2月17日、7型Androidタブレット「eden TAB Wi-Fi」(写真1)を2月25日から販売すると発表した。これに先駆け発表当日から、同社サイトで予約を受け付けている。今回発売するのは無線LAN対応版であり、3G通信対応版については4月末をめどに投入する。

 eden TAB Wi-Fiの特徴は、同じ7型の競合機種より高精細な1280×800ドットのディスプレイや1.2GHz動作のデュアルコアCPUなどを備えながら、価格を2万9800円(同社サイトの価格)に抑えた点である。

 同日記者会見したキングソフトの沈 海寅代表取締役社長は「米AppleのiPadを“芸術品”とすれば、その他のタブレットはどれも(コモディティ化した)“工業製品”のようなものだ。eden TABはその中間をいく製品。競合より安価だが、スペックにもデザインにも一切妥協していない」とアピールする(写真2)。

 基本スペックは次の通り。まずプロセッサに1.2GHz動作のデュアルコアCPU「S5PC210」を採用している。これは韓国Samsung Electronicsが開発し、自社の最新スマートフォンでも採用しているものだ。通信方式としてはIEEE 802.11b/g/n方式無線LANとBluetooth 2.0+EDRに対応。このほかGPSや各種センサー、800万画素の背面カメラと200万画素の前面カメラも備える。OSのバージョンは「安定性を重視し」(沈社長)、タブレット向けのAndroid 3.2や最新の4.0ではなく、2.3.3を採用した。将来的に4.0へのアップグレードも予定している。

 デザイン面では、ユーザーが片手で扱いやすいよう本体の横幅を小さくし、軽量化しているのがポイントである。具体的には本体サイズが199×118.8×10.4mmで重さは330gである。バッテリー容量は3850mAhを確保した。

 キングソフト/Mobile In Styleは、こうした最新スペックの製品を競合より安く提供するための様々な施策を実施していく。その一つがEC事業者など他業種と積極的に提携することである。例えばeden TABでは、独自のランチャーアプリ「eden TABランチャー」を搭載。そのトップ画面に、提携企業のECサイトにアクセスするためのショートカットなどをあらかじめ配置し、アクセスに応じたアフィリエイト型で収益を確保するという。

 もう一つの施策は中国のAndroid端末ベンダーであるXiaomiとの協力。同社との資本・事業提携の下で、部材の共同調達や品質管理ノウハウの共有、OS・ソフト面での連携・支援などを進めていく。

 ただし米Googleが運営するAndroidマーケットには正式対応していない。Androidマーケットを使うためのフレームワークを導入してあるものの、eden TABランチャーにより標準環境では利用できなくなっている。代わりに、Mobile In Styleと同じくキングソフト傘下であるACCESSPORTが運営する独自マーケット「Tapnow」からアプリをダウンロードできる。