MacやiOS端末との間でテキスト、写真、ビデオを送受信できるアプリケーション「Messages」
MacやiOS端末との間でテキスト、写真、ビデオを送受信できるアプリケーション「Messages」
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 米Appleは現地時間2012年2月16日、次期パソコン向けOS「OS X Mountain Lion」の開発者向けプレビューをリリースした。同社のクラウドサービス「iCloud」の統合強化やミニブログサービス「Twitter」との連携など、「iPadで人気の機能をMacにもたらし、OS Xの革新を加速させる」としている。

 Appleの開発者プログラム「Mac Developer Program」の会員は同日よりOS X Mountain Lion開発者向けプレビューにアクセスできる。一般ユーザーに対しては2012年夏の終わり頃にアプリケーション配信サイト「Mac App Store」を通じてアップグレート配信を始める予定。

 iCloudは、音楽や写真、アプリケーション、文書などをクラウドコンピューティング環境で保存および管理できる無料サービスで、2011年10月に提供を開始した。iPadをはじめとする同社のモバイル端末や、MacおよびWindowsパソコンのアプリケーションと連動し、すべての機器でデータを最新の状態に保つことができる。現行OS「OS X 10.7(Lion)」はバージョン10.7.2以降でiCloud対応を追加しており、モバイルOS「iOS 5」ではすでに標準サポートしている。

 OS X Mountain LionではiCloudの設定やコンテンツへのアクセスのしやすさを重視した。「Apple ID」に基づいて、連絡先情報、メール、カレンダー、メッセージ機能や、ビデオ通話機能「FaceTime」、紛失したMacの場所を特定する「Find My Mac」を自動的に設定する。

 新たなアプリケーション「Messages」は従来のチャットアプリケーション「iChat」に代わるもので、無制限のメッセージ、高品質の写真やビデオをMacやiOS端末との間で送受信できる。引き続き「AIM」「Jabber」「Yahoo! Messenger」「Google Talk」といった他社サービスもサポートする。

 Twitterの統合により、ユーザーは一度ログインすれば、「Safari」ブラウザー、書類プレビュー機能「Quick Look」、写真撮影/加工機能「Photo Booth」、PDF文書と画像のビューア「Preview」や、サードパーティ製アプリケーションから直接Twitterに投稿できる。

 セキュリティ機能「Gatekeeper」では、Macにダウンロードおよびインストールするアプリケーションを管理する。どのようなソースからのアプリケーションでもインストールを許可する設定や、Mac App Storeのみに限定する設定などが行える。

 このほか、メモ機能「Notes」、タスク管理機能「Reminders」、ゲーム対戦機能「Game Center」、さまざまな通知を1カ所で閲覧および管理できる「Notification Center」、リンクや写真、ビデオの共有を簡素化する「Share Sheets」、720p画質のビデオをHDTVに出力する「AirPlay Mirroring」などを導入する。

 また、中国ユーザー向けの機能強化として、中国語の入力方式を大幅に向上し、Safariで「Baidu」検索エンジンを選択できるようにした。中国のミニブログサービスや動画共有サービス、インスタントメッセージングサービス、メールサービスなどもサポートする。

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