写真●Alteon5224の外観
写真●Alteon5224の外観
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 日本ラドウェアは2012年2月15日、仮想サーバー環境と連携動作する負荷分散装置の新機種を発表した(写真)。新たにエントリー機種とハイエンド機種の二機種を追加し、全三機種構成とした。参考価格は、エントリー機種の「Alteon5224」が、負荷分散装置5台、帯域1Gビット/秒の構成で398万円(税別)から。なお、今回発表した新機種は、いずれも2012年1月に出荷済み。開発会社は、イスラエルのRadware。

 発表された負荷分散装置はいずれも仮想化技術を適用している。仮想アプライアンスとして実装した負荷分散装置「vADC」を、同社のプラットフォーム(独自のサーバー仮想化ソフトを動作させたPCサーバー)の上で動作させている。VMware vCenterなどに組み込むプラグイン「vDirect」を用意しており、負荷分散先となる仮想サーバーのプロビジョニングや構成変更に合わせてvADC自身をプロビジョニングするといった運用ができる。

 今回、既存のミッドレンジ機種「Alteon5412」(vADCは最大28台、帯域は8G~20Gビット/秒)に、エントリー機種「Alteon5224」(vADCは最大26台、帯域は1G~14Gビット/秒)およびハイエンド機種「Alteon10000」(シャーシ型、vADCは最大480台、帯域は最大80Gビット/秒)を追加した。いずれも、同一のハードウエアを使いながら、契約の違いだけで、稼働させるvADCの数や利用帯域を変更できる。

サーバー仮想環境との連携を強化

 新機種の提供に合わせ、負荷分散装置の機能も強化した。

 まず、仮想アプライアンスの稼働プラットフォームとして、VMware ESX/ESXiに加えて、KVM、Xen、Hyper-Vを利用できるようにした。さらに、管理プラグインであるvDirectを組み込む仮想化環境の運用管理ソフトとして、既存のVMware vCenter Auchestratorに加えて、VMware vCloud DirectorとRed Hat Enterprise Virtualization(RHEV)を利用できるようにした(Xen、Hyper-Vは今後対応予定)。なお、以前から、vDirect相当の管理機能を自作ツールに組み込むSDKがある(Java、.NET Framework、Perl、PowerShellから利用可能)。

 機能強化ではまた、AppShapeと呼ぶ、アプリケーション視点の設定テンプレートを用意した。米Oracle製品や独SAP製品など、利用する業務アプリケーションごとにパラメータチューニングの設定テンプレートを用意した。これにより、利用しているアプリケーションの仮想サーバー構成が変わった場合などに、パラメータ設定済みのvADCをプロビジョニングすることができるようになる。

 なお、Alteonブランドは、カナダのNortel Networksが2000年に買収した米Alteon WebSystemsを指している。Radwareは2009年にNortel Networksから負荷分散装置事業を買い取っており、これらの製品ラインをAlteonブランドで提供している(既存の負荷分散装置ブランド「AppDirector」は並売)。Alteonブランドのうち、2/3/4シリーズは、仮想アプライアンスの稼働プラットフォームにはなっていない。