ヤフーの100%子会社であるデータセンター事業者のIDCフロンティア(IDCF)は2012年2月15日、同社のIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウドサービスを、米RightScale社のクラウド統合運用ツール「RightScale」経由で利用可能にしたと発表した。当初は既存のユーザーを対象にした試験提供にとどまる。本サービスの開始は4月を予定している。

 IDCFが提供するクラウドサービスは、仮想マシンを1時間または1カ月単位で借りられるIaaS型クラウドである。同様なサービスは、米Amazon Web Services(AWS)社や米Rackspace社、韓国Korea Telecom(KT)社、インドのTata Communications社などが提供している。RightScaleでは、これら複数のIaaS型クラウドを1つのWebインタフェースで統合管理できる。

 通常、複数のIaaS型クラウドを利用していた場合、各サービスが用意しているWeb管理ポータルでしかクラウド上の仮想マシンを管理できない。例えば、IDCFとAWSを利用しているユーザーは、IDCFが提供するWeb管理ポータルでIDCF上の仮想マシン、AWSが提供するWeb管理ポータルでAWS上の仮想マシンと、それぞれ個別に管理することになる。これがRightScaleを使うと、IDCF上の仮想マシンとAWS上の仮想マシンを1つの画面で同時に管理できるようになる。

 仮想マシンの作成や起動といった仮想マシンの管理に必要な操作も共通化される。さらに、複数の仮想マシンをグルーピングして管理する機能や、各社が公開しているAPIを活用した運用管理の自動化機能などを利用できるようになる。IDCFは、ユーザーがRightScaleでAPIを活用できるようにするため、2月17日にAPIの公開を予定している。

 RightScaleは、RightScale社がSaaS(Software as a Service)として提供している。基本利用料は月額500ドルからで、これに加えて利用するIaaS型クラウドのサービスやプランに応じた月額利用料が掛かる。IDCFが4月に本サービスを開始した後、IDCF経由でRightScaleを契約した場合には円建てで提供する予定である。

■変更履歴
IDCフロンティアのクラウドサービスを「NOAH」としていましたが、同社より2012年2月から同名称の使用を停止したという申し入れがあったため、「NOAH」を削除しました。本文は修正済みです。 [2012/02/15 16:27]