米Facebookがモバイル決済の英Bangoと提携を結んだ。米欧のメディア(PCWorldWashington PostFinancial Timesなど)が報じたところによると、両社は、Facebookが3月に立ち上げると見られているモバイル向け広告事業に関して協力する。

 Bangoはモバイル決済サービスのほか、モバイル解析サービスを手がけており、カナダResearch in Motionや米Amazon.com、フランスGameloft、スペインTelefnicaの英国法人などと提携を結んでいる。

 Facebookは2月1日に上場申請の書類を米証券取引委員会(SEC)に提出しており、新規株式公開(IPO)実施に向けて新たな収入源を確保するためにモバイル広告事業を始める見通しだと報じられている(関連記事:Facebookがモバイル広告事業を3月初旬に開始へ---米英メディアが報道)。Facebookは現在、ユーザーの投稿内容や「いいね」に応じて広告を表示する「Sponsored Stories(スポンサー広告)」をWebサイトで展開しているが、これをモバイルに適用すると見られている。

 FacebookがSECに提出した書類によると、8億4500万人に上るFacebookユーザーのうち、半数以上はモバイルデバイスからアクセスしている。しかしFacebookはこれまでのところ、こうしたモバイル利用を収益に変える手段を持っていない。同社は、このままパソコンの代わりにスマートフォンからアクセスするユーザーが増加し続け、モバイルユーザー向けの収益化戦略を確立できなければ、収入や決算にマイナスの影響が出る可能性があるとのリスク要素をSECへの書類に記していた。