Windows on ARMが3種類のPCで動作しているところ。左からNVIDIA、Qualcomm、Texas Instruments製の各プロセッサを搭載。説明者はMicrosoftのWindows Plannning & PC Ecosystem Team主席プログラムマネージャのScott Seiber氏
Windows on ARMが3種類のPCで動作しているところ。左からNVIDIA、Qualcomm、Texas Instruments製の各プロセッサを搭載。説明者はMicrosoftのWindows Plannning & PC Ecosystem Team主席プログラムマネージャのScott Seiber氏
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 米Microsoftは現地時間2012年2月9日、次期OS「Windows 8」のARMアーキテクチャ版について技術的詳細を明らかにした。ARM版を「Windows on ARM(WOA)」と呼び、Windows ServerやWindows Embedded、Windows Phoneと同様に、Windows基盤に基づいて構築したWindowsファミリーの一員と位置づけている。

 現在、デバイスメーカーがWOA搭載機の開発に取り組んでおり、x86/x64版Windows 8を搭載したパソコンと同時に出荷することを目指している。これらWOA搭載機は、米NVIDIA、米Qualcomm、米Texas Instruments(TI)が提供するARMプロセッサを採用する。

 WOAはx86/x64版と同様のサインインや起動、アプリケーション使用体験を提供し、Microsoftのアプリケーション配信ストア「Windows Store」も利用可能。「Metro」スタイルのアプリケーションをサポートし、同社のメールやカレンダー、写真、ストレージ関連アプリケーションを実行できる。また、Internet Explorer 10ブラウザーにおいてHTML5ハードウエアアクセラレーションをサポートする。

 次期オフィススイート製品「Office 15」(開発コード名)を構成するWord、Excel、PowerPoint、OneNoteの各アプリケーションが付属し、タッチ操作と省電力を考慮した設計になっている。

 Windows Storeで配信するMetroアプリケーションはWOAとx86/x64版のいずれでも動作するが、WOAは既存のx86/x64向けアプリケーションの実行、エミュレーション、ポーティングは行えない。

 WOAはハードウエアやファームウエアと組み合わせて、提携ベンダーからWOA搭載デバイスとして販売する形態をとる。WOA単体の販売はしないという。

 Microsoftは、x86/x64版の次回マイルストーンリリースに合わせて、開発者やハードウエアパートナーに招待制でWOAテスト機の限定提供を始める予定。x86/x64版は2月29日にコンシューマプレビュー版の公開を予定している(関連記事:Windows 8のコンシューマプレビュー版が2月29日に公開 )。

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