パナソニックは、「Let's note」「TOUGHBOOK」ブランドで展開するノートパソコンの2011年度(2012年3月期)の出荷台数が、過去最高の74万台になる見込みであると公表した。2012年度(2013年3月期)はさらに出荷台数を10%以上伸ばし、80万台を超える水準を目指すとしている。
2012年2月8日に開催されたLet's note新機種の出荷式で、同社 ITプロダクツビジネスユニットの原田秀昭ビジネスユニット長は「2011年度は日本・欧州・北米のいずれも景気が低迷し、さらに東日本大震災やタイの大洪水の影響もあったが、販売台数は過去最高を記録する見込み」と明らかにした。台数ベースで国内出荷の65%を占める法人顧客からの引き合いが堅調であることに加え、きょう体を一新した新機種「Let's note SX1」「同 NX1」を2月24日に発売予定としており、年度末の3月にかけて販売増を見込む。
同社は新機種の投入に併せて法人向けの営業体制を強化し、地方の中堅・中小企業における導入を促す。また、日系企業の中国・アジア進出が進み、現地法人で日本と同様の業務システムを運用するケースなどを想定し、新たにアジア市場でLet's noteの販売・サポートを始める予定。これらの取り組みにより、2012年度以降は「出荷台数ベースで毎年10%以上の増加という成長ペースを持続していきたい」(原田ビジネスユニット長)としている。
同社のノートパソコンの生産拠点である神戸工場は、関西電力の原子力発電所の停止により同社から節電要請を受けており、同工場では消費電力量を前年同期比10%減になるよう調整しているが、生産計画への影響は今のところないという。「暖房の設定温度を下げる、照明をこまめに切る、部品のハンダ付けに使うリフロー炉の温度を調整するなどの取り組みにより10%削減しており、生産台数を当初計画より減らすことはしていない。緊急の場合は止められるものは全て止める方針で、2月3日には関西電力管内の電力使用率予想が96%になったが、この日は生産制限せずに済んだ。今冬は大丈夫とみている」(同社 神戸工場長の清水実氏)としている。