写真1●FUTRO S900の外観
写真1●FUTRO S900の外観
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写真2●パーソナルビジネス本部長の齋藤邦影氏
写真2●パーソナルビジネス本部長の齋藤邦影氏
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 富士通は2012年2月8日、デスクトップ型シンクライアント端末の新機種「FUTRO S900」(写真1)を発表した。シンクライアント需要に合わせて立ち上げた新ブランド「FUTRO」の第一弾となる。富士通と富士通テクノロジー・ソリューションズ(ドイツ)の共同開発で、グローバル市場で販売する。国内では2月下旬に出荷する。価格は、4万9000円(税別)から。販売目標は、「パソコンの出荷台数の3~4%。2015年度に4~5%」(同社)。

 FUTRO S900は、デスクトップ型シンクライアント端末の新機種である。2009年10月発表の既存機種「FMV-TC5230」(7万8000円)と比べて、ハードウエアとOSを刷新するとともに、価格を下げた。これにより、シンクライアント端末の製品ラインアップは、ノート型の既存機種2製品(FMV-TC8390およびFMV-TC8270)と合わせて3製品構成となる。今回、まずはデスクトップ機を新ブランドに切り替えた。今後、FUTROブランドで製品ラインを順次拡充する。

 同社が新ブランドを立てて新機種を投入する背景には、「デスクトップ環境のクラウド(社内の仮想デスクトップ環境やDaaS)への移行が進んでいる」(パーソナルビジネス本部長の齋藤邦影氏、写真2)という状況と、情報漏えい対策や事業継続計画の観点からリモートアクセス需要が高まっているという状況がある。特に、ドイツを中心に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)市場でのシンクライアント出荷台数の伸びが顕著という。

 新機種の主な仕様は、以下の通り。きょう体は省スペース型のデスクトップ機種で、ディスプレイの背面に取り付けて運用することも可能。ディスプレイ出力は二画面。画面情報端末プロトコルはRDP/ICA/PCoIPなどが使え、各社のデスクトップ仮想化ソフトと組み合わせて利用できる。OSはWindows Embedded Standard 7。OS起動用ストレージはフラッシュメモリーで、EWF(Enhanced Write Filter)による書き込み保護機能により、データを書き込めないようにしている。