カナダの有力紙、Globe and Mailは現地時間2012年2月7日、米Appleが開発中と観測が流れているスマートテレビ「iTV」について、Appleがカナダの通信大手2社と協議に入っていると報じた。関係筋が同紙に伝えたところによると、同社が協議しているのはケーブルTV/インターネット接続事業のRogers Communicationsと、通信大手Bell Canadaの親会社、BCE。iTVの同国における立ち上げパートナー契約に関して話し合っていると伝えている。

 記事ではiTVについて、大型のiPadのような製品で、テレビの視聴体験を変える可能性を持つと伝えている。「iPhone 4S」に搭載されている音声アシスタント「Siri」の機能を備え、物理的なユーザーインタフェース(UI)を使うことなく、音声や手ぶりなどで操作できる。番組を選んだり、Webを閲覧したり、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを利用したりといった操作がソファーからできると紹介している。

 別の情報筋によると、すでにRogers Communications、Bell Canadaのいずれの研究施設にも製品があり、現在両社は性能試験を行っているという。

 また米Bloombergは、投資銀行JefferiesのアナリストPeter Misek氏が出したAppleのテレビ事業に関する調査ノートについて報じている。それによると、Appleは米国でAT&TやVerizon Communicationsといった映像コンテンツを保有する通信事業者と提携するのではないかと報告している。カナダでもRogers CommunicationsとBell Canadaがコンテンツを豊富に持つため、この2社と提携すればAppleは有利になると指摘している。