ThinkPad X1 HybridでIMMモードを起動したところ
ThinkPad X1 HybridでIMMモードを起動したところ
[画像のクリックで拡大表示]
PCI Expressミニカードと同じサイズのモジュールにSoCを搭載
PCI Expressミニカードと同じサイズのモジュールにSoCを搭載
[画像のクリックで拡大表示]
Windowsを利用している状態と比べてIMMモードでは消費電力を半減できる
Windowsを利用している状態と比べてIMMモードでは消費電力を半減できる
[画像のクリックで拡大表示]

 レノボ・ジャパンは2012年2月7日、インテルのCPUに加えてARMアーキテクチャーのSoC(system on a chip)を搭載した「ThinkPad X1 Hybrid」の技術説明会を開催した。Windows 7上から、SoC上で動くLinuxベースのOSを切り替えできる。SoCは消費電力が低く、バッテリー駆動時間を約2倍に伸ばせる。同製品は、米ラスベガスで開催された展示会「2012 International CES」で1月に発表済み。同社の大和研究所が中心となって開発を進めた。発売日は2012年春、価格は未定。

 本体内部にARMアーキテクチャーのSoCや16GBのフラッシュメモリーなどを収めたモジュールを内蔵している。SoCとは、CPUやグラフィックスなど機能を一つに統合したチップのこと。スマートフォンなどに採用されている。同製品では、米クアルコムのSnapdragonというSoCを採用した。モジュールはパソコンに内蔵しやすいようにPCI Expressミニカードと同じサイズとした。

 Windows 7上からデスクトップ上の専用ツールをクリックするとSoC上で動作するLinuxベースのOSに切り替わる。同社では、この状態を「インスタント・メディア・モード」(IMMモード)と呼んでいる。IMMモードでWebブラウザーやメールソフトが使えるほか、音楽や動画ファイルを再生できる。実は、このIMMモードは携帯端末用プラットフォームのAndroidに独自の変更を加えたもの。日本語の入力に対応しているほか、Windows上のポインティグデバイスや省電力設計をIMMモードに引き継ぐ機能もある。ただし、Androidマーケットは利用できず、ユーザーがアプリケーションを追加できない。

 IMMモードを使うと、Windowsを利用している状態と比べてバッテリー駆動時間を2倍に増やせるという。IMMモードを利用時にはWindows 7がスタンバイ状態に入り、電力が削減できるためである。SoCを搭載したモジュールの消費電力は低く、消費電力は2~3ワットであるという。