写真1●HA8000-bd/BD10 X2モデルの外観
写真1●HA8000-bd/BD10 X2モデルの外観
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●2スロットブレードの外観
写真2●2スロットブレードの外観
[画像のクリックで拡大表示]

 日立製作所は2012年2月6日、スケールアウト向けに集積度を高めたブレードサーバー機の新モデル「HA8000-bd/BD10 X2モデル」(写真1)を発表した。Hadoopによるデータ集計処理などに向く。新モデルでは、ストレージ容量を重視したサーバーブレードを用意するなど、CPUとストレージ容量の選択肢を広げた。2月7日に販売開始し、2月17日に出荷する。

 HA8000-bd/BD10は、スケールアウト用途のブレードサーバー機である。高さ5Uのラックマウント型シャーシに、1ソケット型サーバー機(サーバーブレード)を最大で40台収容する。個々のサーバーブレードは、単体で動作する独立したサーバー機であり、CPU/メモリーだけでなく、ハードディスクやネットワークインタフェースなどを自前で搭載する。

 新モデルでは、サーバーブレードの選択肢を拡大し、用途に合わせてCPU性能とストレージ容量を選べるようにした。特に、容積が以前の2倍(シャーシの2スロットを占有)となる代わりに、搭載ハードディスクの数を以前の3倍(3台)にした、ストレージ容量重視の「2スロットブレード」(写真2)を用意した。「これまでの高集積の1スロットブレードと、1Uラックマウント型サーバーの間を埋める製品」(日立製作所)となる。

 2スロットブレードを使った場合、シャーシ当たりのストレージ容量は45Tバイトとなり、以前の約2.3倍に増える。一方、2スロット化によってCPUの集積度が半減するが、CPUの最大コア数を以前の2倍(4コア)に増やしているため、容積当たりの最大コア数は80コアであり、以前と変わらない。なお、CPUは、以前のCore系に加えてXeonを搭載できるようにした。

 価格(税込)は、2スロットブレードが、27万1950円から(最小構成は、Core i3-2120T、メモリー2Gバイト、2.5インチ750GバイトSATAディスク×3台、OSなし)。1スロットブレードが、12万9150円から(最小構成は、Core i3-2120T、メモリー2Gバイト、2.5インチ750GバイトSATAディスク×1台、OSなし)。

Hadoopをインストール/設定済みで納品するオプションも用意

 今回さらに、HA8000-bd/BD10 X2モデルの用途として想定しているHadoopの需要に向けて、Hadoop関連のサービスメニューを拡大した。具体的には、OSとHadoopをインストールした状態で納品する「インストールサービス for Hadoop」と、ヒアリングシートに基づいてOSとHadoopの設定を施して納品する「プラットフォーム設定サービス for Hadoop」を、2月17日に提供開始する。

 価格は、いずれも個別見積もりだが、「ユーザー側のエンジニアがみずからインストールや設定作業を実施するよりも作業コストが安くつく」(日立製作所)。例えば、あらかじめハードディスクのイメージをコピーしてサーバー機を組み上げれば、サーバー機ごとにソフトウエアをインストールする手間が要らない。また、顧客ごとに個別の設定作業も、サーバー機に対してネットワーク経由で実施するよりも、ベンダー側で実施した方が容易である。

 日立製作所ではこれまで、Hadoop関連のサービスとして、導入を検討するユーザーのためのアセスメントサービスや、システム構築/開発サービス、実運用を開始したシステムの運用サポートサービスを提供してきた。今回、新たに、システム構築とは独立して、Hadoop向けのプラットフォーム(ハードウエアシステム)を以前よりも簡単に調達できるサービスを追加したかたち。