米フェイスブックが2月1日、米SEC(証券取引委員会)に株式公開を申請したが、公開後も議決権のほとんどは創業者と投資会社で握られることが、同社がSECに申請した書類から明らかになった。

 議決権を少数に残すために、フェイスブックは種類株を発行して、議決権のある株式の多くを創業者のマーク・ザッカ―バーグCEO(最高経営責任者)が握る。その比率は56.9%に達する。さらに、同社の社外取締役であるジェイムズ・ブレイヤー氏は11.9%を持つ。ブレイヤー氏はフェイスブックに投資をしている米ベンチャー・キャピタル「アクセル・パートナーズ」の経営者。さらに、別の社外取締役であるピーター・セール氏は2.5%、投資会社のDSTグローバルは5.4%、投資家のダスキン・モルコビッツ氏は7.6%を持つ。つまり公開後も経営権のほとんどは創業者と同社への特定投資家で占められる。

 これは、フォード家が議決権の40%を支配するフォード・モーターと似た構造になっている。ネットで開かれた世界をビジネスモデルにするフェイスブックだが、経営権に関しては完全な身内企業。特に取締役や投資家の思惑が色濃く優先されるとなれば、資金調達後は株式公開の意義も問われてくるかもしれない。