国際的ハッカー集団「Anonymous」は、米連邦捜査局(FBI)と英ロンドン警視庁との電話会議を盗聴し、約15分間の録音をインターネット上に公開した。米英メディア各社の報道(New York TimesFinancial Timesなど)によると、FBIは現地時間2012年2月3日、盗聴されたことを認めている。

 録音はYouTubeにアップロードされ、昨年逮捕されたAnonymous関係者とみられる容疑者2人に対する詳しい捜査方針や、近いうちに摘発されると思われるAnonymousの主要メンバー「Tflow」および「Kayla」(いずれもネット上のニックネーム)の本名などを話し合っていた。FBIは、盗聴された情報が警察官のみを対象にした内容であり、違法に入手されたものだとして、流出経路の特定のために捜査を行っていることを明らかにした。

 Anonymousは事前にFBIの電子メールシステムにアクセスした疑いがあり、「われわれがどのようにして内部のやりとりを閲覧できたか、FBIは不思議に思っているかもしれない」とのコメントをTwitterに投稿している。FBIによれば、1月13日に電話会議の開催を通達するメールが米国や英国および欧州の捜査関係機関に送信されており、会議の日時、電話番号、会議に参加するためのアクセスコードなどが記載されていた。FBIはAnonymousがこの電子メールを傍受して悪用したものと考えている。