米IDCが現地時間2012年2月1日に公表した世界携帯電話市場調査によると、2011年第4四半期(10~12月期)の出荷台数は4億2740万台となり、前年同期と比べた伸び率は6.1%にとどまった。1年前の伸び率、9.3%を下回っており、世界規模で景気後退がピークに達した2009年第3四半期以来の低水準となった。

 IDCシニアリサーチアナリストのKevin Restivo氏は、「米AppleのiPhone 4Sをはじめとする高成長製品がスマートフォン市場の伸びを支えたが、携帯電話全体で見ると、悪化するマクロ経済環境の影響を免れることはできず、著しい低成長となった」と述べている。とりわけフィーチャーフォン(従来型携帯電話)の落ち込みが事前予想よりも大きく、市場成長の足かせになったとしている。

 メーカー別の出荷台数を見ると、フィンランドNokiaが1億1350万台で首位を維持したが、前年同期に比べ8.2%減少した。2位は韓国Samsung Electronicsで出荷台数は同20%増の9760万台。Samsungは初めて四半期ベースで9000万台の大台に乗り、年間ベースでも初めて3億台を超えた。「Galaxy S II」などの高機能端末のほか、Galaxyシリーズのエントリーモデル、Windows Phoneスマートフォン「Focus Flash」をリリースしたことに加え、同社のフィーチャーフォンも堅調に推移している。これによりNokiaとの差を2000万台以下に縮めた。

 3位はAppleで出荷台数は同128.4%増の3700万台。同社は前期の5位から浮上し、IDCのランキングで初めて3位に入った。昨年10月に発売したiPhone 4Sは今年1月中旬時点で世界90カ国以上で販売されており、シリーズ全体を後押ししている。次いで4位に韓国LG Electronicsが入り、出荷台数は1770万台(前年同期比42.2%減)。5位は中国ZTEの1710万台(同8.9%増)。

 2011年の1年間の市場全体の出荷台数は前年から11.1%増えて15億4600万台だった。ただ、伸び率は2010年の18.7%から低下している。フィーチャーフォンの需要が低迷していることが要因の一つだが、スマートフォンの伸びで2桁成長を維持できた。今後もスマートフォンに支えられ2桁成長が続くとIDCは見ている。

[発表資料へ]