写真●ソフトバンクの孫正義社長
写真●ソフトバンクの孫正義社長
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンクは2012年2月2日、2012年3月期第3四半期(2011年4~12月)の決算を発表した。売上高は前年同期比6.6%増の2兆3981億円、営業利益は同10.5%増の5327億円だった。7期連続の最高益となった。

 孫正義社長は「もはや『国内3位の携帯電話事業者』ではない。KDDIを超え、2位の事業者だ」とぶち上げた。根拠としては、移動通信事業の好調さを挙げる。同社の第3四半期の移動通信事業の営業利益は3464億円。3376億円だったKDDIを逆転した。設備投資額も3364億円とKDDIの2729億円を上回った。

 さらに孫社長は「2016年度に連結営業利益1兆円を目標にする」とした。目標達成のため、ウィルコムを含む顧客数の拡大施策と、AXGPサービス「Softbank 4G」の開始や2011年度から2年間合計で1兆円の設備投資によるネットワーク増強を実施する。

 通信関連のセグメント別の業績は以下の通り。移動通信事業の売上高は前年同期比11%増の1兆6191億円、営業利益は前述のように同10.2%増の3464億円だった。携帯電話契約数増による通信料売り上げの増加が増収増益の主な要因である。

 ブロードバンド・インフラ事業は、売上高が前年同期比10.2%減の1297億円、営業利益が同15.6%減の283億円だった。Yahoo! BB ADSLの契約数が減少し、ARPU(電気通信事業者にとっての1契約当たりの平均収入)の低い「Yahoo! BB 光 with フレッツ」の割合が増加している影響が大きい。

 固定通信事業は売上高が前年同期比2.6%増の2700億円、営業利益が同79.4%増の428億円だった。接続料の値下げで、ソフトバンクテレコムの通信設備使用料が減少したことが増益に寄与した。