写真●NTTデータの榎本隆 副社長
写真●NTTデータの榎本隆 副社長
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 NTTデータは2012年1月31日、2011年4~12月期の連結決算を発表した。連結売上高は前年同期比9.2%増の8887億円、連結営業黒字は同11.8%増の513億円だった。一方、連結純損益は税制改正による繰り延べ税金資産の見直しの影響で、同28.4%減の163億円となった。

 記者会見した榎本隆 副社長(写真)は「金融機関ではクラウドなどへの投資増が想定できるが、世界的な経済情勢の悪化が懸念される。一般企業でも、長引く円高などで業績の先行きが不透明になっており、IT投資へのマイナス影響がある。利益面では予断を許さない状況だ」と、気を引き締めるように話した。

 通期予想は売上高1兆2000億円(前期比3.3%増)、営業利益800億円(前期比2.2%増)ともに据え置いたが、純損益は税制改正を踏まえ、前期比11.6%減の330億円に下方修正した。

 2月1日から、JBISホールディングスに対する株式公開買付け(TOB)を開始することも発表した。JBISは傘下に日本電子計算と日本証券代行を抱え、証券会社向けシステムやパッケージソフトなどに強みを持つ。「NTTデータは銀行や保険向けでは強いが、証券分野はなかなか攻められなかった。TOBが成立すれば顧客基盤と、人材リソースを獲得できる」と榎本副社長は狙いを示した。買収により、国内事業を強化する考えだ。