SCSKは2012年1月30日、障害時対応などのIT運用プロセスを自動化するソフト「NetIQ Aegis」を簡易HA(高可用性)クラスタ構成としたシステム製品を商品企画化し、販売開始した。必要なミドルウエアを2台のPCサーバーに導入/設定したシステムパッケージとして販売する。価格は、システム一式に、NetIQ Aegisの導入コンサルティングサービスが付属して850万円(税別)から。

 今回の製品は、IT運用を自動化する機能をシステムとして提供するもの。中核ソフトとして、ネットアイキューのNetIQ Aegisを利用する。NetIQ Aegisは、システム障害などのイベントの発生をトリガーに、復旧処理プログラムの実行や担当者間の認証ワークフローといったITプロセスを自動実行するソフト。今回のシステムはNetIQ Aegisの導入キットであり、HAクラスタによってNetIQ Aegisサーバー自身の信頼性を確保した。

 HAクラスタソフトには、日本ストラタステクノロジーの「Stratus Avanceソフトウェア」を利用する。特徴は、フェイルオーバーの実現方法として、サーバー仮想化ソフト(米Citrix SystemsのXenServer)のHA機能とライブマイグレーション機能を利用する点である。ハードウエアの稼働状況を監視し、故障を予見した場合に、稼働中の仮想サーバー機を別の物理サーバーへと移動させる。これにより、専用のHAクラスタリングソフトよりも安価にHAクラスタを実現できる。

 今回のシステムパッケージでは、PCサーバー2台それぞれにサーバー仮想化ソフト(Citrix XenServer)とStratus Avanceを、仮想サーバーの上にNetIQ Aegisをインストールした。これらのミドルウエア群を導入した状態で顧客に提供する。初期導入時には、NetIQ Aegisの導入コンサルティングサービス(エンジニア1人×1日)も付属する。なお、PCサーバーのブランドは、Stratus Avanceが動作を保証している3種(米Dell、米Hewlett-Packard、米IBM)のいずれかから選択する。

 なお、システムを構成する個々の既存製品の価格(税別)は、以下の通り。NetIQ Aegisは、サーバーライセンスが1ライセンス当たり400万円(税別)、管理対象オブジェクトライセンスは別途必要。一方、Stratus Avanceは、PCサーバー2台とサーバー仮想化ソフト込みのセットで、126万6000円(米Dell、米Hewlett-Packard、米IBMで共通)。