SCSKは2011年1月30日、「NoSQL」と呼ばれるデータベースソフトを開発・販売する米企業カウチベースと、日本国内における共同販売・マーケティングを開始すると発表した。カウチベースのNoSQLデータベースソフト「Couchbase」は、米AOLや、ソーシャルゲームの世界最大手である米ジンガのシステムなどに採用されている。両社は日本国内でも、時々刻々と増える大量データである「ビッグデータ」を扱う企業に向けて販売する。

 Couchbaseは、オープンソースソフト(OSS)の分散メモリーキャッシュソフト「memcached」と、同じくOSSのデータベースソフトである「CouchDB」から成る。複数のサーバーにデータを分散させて管理することで、サーバー台数に応じてシステム全体の処理性能を高めたり、特定のサーバーがダウンしてもシステムを止めずに処理を継続したりできる。

 「従来のNoSQLデータベースソフトは使用法が難解で、技術者を多数抱える一部の企業しか使えなかった。Couchbaseはアプリケーションを変更することなく、管理ツールのボタンをワンクリックするだけでサーバーを追加できるなど、NoSQLの利点を容易に得ることができる」。カウチベースのボブ・ウィーダーホールドCEO(最高経営責任者)は、同社製品の利点をこう強調する。

 米AOLでは、CouchbaseとHadoopを併用。2億9000万人分の会員プロファイルに基づき、平均15ミリ秒で広告データを処理・表示しているという。

 SCSKは、日本国内での製品や技術文書の日本語化、技術サポートを担当する。主な販売先は、ソーシャルゲームやEコマース、企業向けのSaaSなどを手がける企業である。大量の文書データやログデータを管理・分析する製造業や通信業などにも販売する。