野村総合研究所(NRI)は2012年1月27日、2012年3月期の第3四半期(2011年4月~12月)決算を発表した。コンサルティング事業、金融業向けおよび流通/製造/サービス業向けのシステム開発・運用が好調。不採算案件の減少、野村證券向けの売上拡大もあり、前年同期比13.3%の営業増益となった。

 第3四半期までの連結業績は、売上高2443億7900万円(前年同期比1.0%増)、営業利益306億2500万円(同13.3%増)、経常利益318億7600万円(同12.5%増)、四半期純利益244億9500万円(同50.8%)だった。

 事業別業績を見ると、コンサルティング事業は、業務コンサルティングおよび顧客のシステムプロジェクト実行を支援するシステムコンサルティング案件が増加。売上高は前年同期比9.1%増の153億7500万円、営業利益は同192.3%増の17億4200万円と好調だった。

 また、システム開発・運用事業は、野村證券を含む金融業界向けの利益が拡大、売上高1476億7600万円(同1.1%増)、営業利益146億6500万円(同9.7%増)となった。流通/製造/サービス業向けのシステム運用・開発も、売上高691億700万円(同3.1%増)、営業利益44億2500万円(同36.8%増)の増収増益で着地した。

 IT基盤・ネットワーク構築事業は、証券業主要顧客向けの運用サービス収入が減少した影響で、売上高は前年同期比2.6%減の585億1000万円、営業利益は同0.2%減の77億8500万円だった。

 第3四半期の決算発表に合わせて、今期の通期連結業績を次のように修正した。営業利益および経常利益を、前回予想からそれぞれ10億円上方修正。2011年12月2日に「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」と「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が交付され、来期移行の法人実行税率が引き下げられることに伴い、回収が見込まれなくなった繰り延べ税金資産を今期に取り崩す影響で、当期純利益は前回予想から5億円下方修正した。