米アップルは1月24日の2011年10~12月期の決算発表を受けて、電話会見を開いた。ティム・クックCEO(最高経営責任者)は「同期に3704万台ものiPhoneを販売したことにスリルを感じている」と、新製品「iPhone 4S」の効果を強調した。

 同期の決算では売上高と純利益ともに過去最高を記録しており、ピーター・オッペンハイマーCFO(最高財務責任者)は「とてつもなく人気が高い商品がそろっている」と自賛した。

 注目すべきは、289億ドルもの手元流動性があること。会見では証券アナリストからこの使い方について質問が相次いだ。オッペンハイマーCFOは「積極的に議論している。サプライチェーンや買収など様々な観点で考えているが、まだ発表することはない」とした。今後は配当や自社株買いについても注目が集まりそうだ。

 「Kindle Fire」など競合商品が増えていくことについてクックCEOは「iPadはアプリケーションも優れていて、多機能性がある端末で、様々な用途に使える。ここが強みだ」と語った。一方で、またタイの洪水の影響でハードディスクについては在庫が豊富ではなく、引き続き改善に努力する姿勢を示した。

 手元流動性は2011年から増え続けており、株主還元や大型買収など2012年は製品以外でもアップルの話題が続きそうだ。