米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2012年1月25日、企業内データセンター(オンプレミス)で運用するサーバーのデータをAWSのクラウドに自動バックアップするサービス「AWS Storage Gateway」を開始した。AWSは、汎用のPCサーバーをストレージ装置として利用可能にするソフトを、ユーザーに有償で配布する。このストレージ装置に保存したデータは、AWSのストレージサービス「Amazon S3」に自動的にバックアップされる。

 AWSは「AWS Storage Gateway Appliance」というソフトを、VMware ESXi 4.1形式の仮想マシンイメージとしてユーザーに配布する。このソフトをインストールしたPCサーバーは、最大12Tバイトのストレージ容量と12個のディスクボリュームが管理可能なストレージ装置として利用可能になる。

 AWS Storage Gateway Applianceで構築したストレージ装置のディスクボリュームは、外部からiSCSI形式でマウントが可能だ。このディスクボリュームを、企業内のアプリケーションサーバーのディスクボリュームとして使用すると、データが自動的にAmazon S3にバックアップされる仕組みだ。ストレージ装置は、ディスクボリュームのデータを瞬間的にバックアップする「スナップショット」機能を備えており、1日に何度でもデータをクラウドにバックアップできる。

 AWSのクラウドにバックアップしたデータは、ユーザーのオンプレミス環境に復元(リストア)可能であるほか、「Amazon EC2」の仮想マシン上に復元ができる。もし、オンプレミスのサーバー環境が全面的に利用できなくなったとしても、バックアップデータから同じシステムを、EC2上に復元できるわけだ。バックアップデータはAES(256ビット)方式で暗号化した上でS3に保管する。

 AWS Storage Gateway Applianceのソフト利用料金は、1台当たり月額125ドル。このほか、バックアップデータの容量に応じたストレージ利用料金やデータ転送料金が必要。バックアップ先に東京のデータセンターを利用する場合、ストレージ利用料金は1Gバイト当たり月額0.15ドル。データ転送料金は、AWSのクラウドにアップロードする料金が無料で、AWSのクラウドからダウンロードする料金が、1Gバイト当たり0.201ドルから。