通常の電話音声によるやりとりのほか、オペレーターがリアルタイムにスマートフォンの画面を確認し、画面上に指示を書き込む。状況によってはオペレーターが操作することもあり得るという
通常の電話音声によるやりとりのほか、オペレーターがリアルタイムにスマートフォンの画面を確認し、画面上に指示を書き込む。状況によってはオペレーターが操作することもあり得るという
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遠隔サポート開始時の操作。ワンタイムパスワードで認証するほか、画面転送時はSSLで暗号化。スマートフォンの画面に遠隔サポート中である旨の表示を常時表示する
遠隔サポート開始時の操作。ワンタイムパスワードで認証するほか、画面転送時はSSLで暗号化。スマートフォンの画面に遠隔サポート中である旨の表示を常時表示する
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オペレーター側のコンソール画面。顧客情報とともにユーザーのスマートフォンの画面が表示される
オペレーター側のコンソール画面。顧客情報とともにユーザーのスマートフォンの画面が表示される
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サービス発表の記者会見では、実際にオペレーターが遠隔サポートする様子を実演した
サービス発表の記者会見では、実際にオペレーターが遠隔サポートする様子を実演した
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サービス発表の記者会見に登壇する、NTTドコモ マーケティング部 ロイヤリティプログラム担当部長の三嶋俊一郎氏
サービス発表の記者会見に登壇する、NTTドコモ マーケティング部 ロイヤリティプログラム担当部長の三嶋俊一郎氏
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 NTTドコモは2012年1月24日、同社のスマートフォンユーザー向けの新サービスとして、有料のサポートサービス「スマートフォンあんしん遠隔サポート」を同年2月下旬~3月に開始すると発表した。ユーザーが使用しているスマートフォンの画面をオペレーターがリアルタイムに確認して操作のアドバイスなどを出すのが特徴。月額料金は420円で、「ケータイ補償お届けサービス」とセットで加入する場合は同126円に割り引く。

画面をリアルタイムにオペレーターに転送、操作指示の書き込みも

 ユーザーは、自宅の電話機などから同サービスの専用電話番号に電話を掛け、オペレーターの指示に従いスマートフォン上で同サービスのクライアントアプリを起動する。さらに、数字6けたのワンタイムパスワードを入力する。

 これによって、ユーザーのスマートフォンに表示されている画面を、オペレーターがリアルタイムで確認できるようになる。オペレーターはそれを見ながら音声でアドバイスするほか、ユーザーのスマートフォン画面に○印や矢印などを書き込んで操作を指示することもできる。ユーザーは画面を確認しつつ、オペレーターのアドバイスに従ってスマートフォンを操作できる。

 なお、「通常はユーザー自身が操作するような形で対応する予定だが、オペレーターがユーザーに代わって操作することも可能で、状況によっては実際にそうする場合もあり得る」(NTTドコモ マーケティング部 ロイヤリティプログラム担当部長の三嶋俊一郎氏)とする。

 当初の対応機種は、同社が同日発表した「MEDIAS ES N-05D」。今後は対象機種を順次増やしていく方針で、「2012年の夏モデルでは相当数の機種で利用可能になる」(三嶋氏)。過去の機種については検討中としているが、「同サービスを利用できるようAndroidに改変を加えており、過去の機種で利用可能にするにはOSの更新が必要で、コストを考えると難しい」(三嶋氏)としている。

 同サービスを受ける際は、スマートフォンがFOMA、Xi、自宅などの無線LANのいずれかに接続している必要がある。セキュリティについては、画面の転送時にSSLで暗号化を施すほか、画面の転送開始前にワンタイムパスワードを入力することで第三者による成りすましを防止する。オペレーターとの間で画面を共有している間は、ユーザー側の画面上にその旨の表示が常時出る。問い合わせの内容によっては、画面に表示されるパスワードをオペレーターが閲覧できてしまう可能性があるが、「ユーザーが希望する場合、一時的に画面の転送を止められる機能を実装している」(三嶋氏)。

 なお、「仕組み上は、オペレーターはスマートフォンのあらゆる操作が可能」(三嶋氏)であるが、端末メーカーが提供しているアプリや、ユーザーが自分でインストールしたアプリなどはサポートの対象外。また、ユーザーのデータを消去するような操作も行わないとしている。

「月額課金にすることで安価に利用いただける、待ち時間もない」

 同社によると、スマートフォンの普及により初心者層が広がったことで、スマートフォンの操作に関する問い合わせが急増している。2011年6月には月間累計で14万件だったが、同年12月には25万件と1.8倍に増加したという。有料のサポートサービスを導入することで、こうした初心者層における顧客満足の向上を図る。同社では同サービスについて、2014年3月末で500万契約を目指すとしている。

 料金が利用のつど支払うものでなく月額制で継続的に課金するシステムとなっているのは、「仮に同様のサービス内容で都度課金とすると、1回当たり2000円といった額になってしまい、ユーザーの理解を得るのが難しくなる。月額課金でも低価格で利用いただけるようにした」(三嶋氏)という。また、「応答品質は通常の問い合わせ窓口より高く設定している。通常の問い合わせ窓口の応答率は90%程度だが、今回のサービスでは95%に設定している。これは、ユーザーが電話をかければほとんど即時にオペレーターにつながるレベルである」(三嶋氏)として、一般的な無料の電話サポートで多く見られるつながりにくさが、ほとんど起こらないとしている。