米Intelは現地時間2012年1月20日、幹部職の人事異動を発表した。すでに明らかにしている通り、取締役会副会長のAndy Bryant氏が今年5月に開催する年次株主総会で会長職に就くのに伴い、これに先立って2人の上級管理者を昇進させる。組織変更は今後1カ月にわたり円滑に行うとしている。

 世界製造部門担当の上級副社長Brian Krzanich氏を、最高執行責任者(COO)に昇格させ、同氏はPaul Otellini社長兼最高経営責任者(CEO)直属となる。Krzanich氏は引き続き製造部門を監督するとともに、Bryant氏の業務を引き継ぎ、社内のIT/人的資源の責任者となる。

 もう1人は、Intel Architecture Group(IAG)を率いているDadi Perlmutter氏で、同氏を最高製品責任者(CPO)に昇格させる。Perlmutter氏はOtellini CEOの直属として引き続きIAGを統括する。

 また、これまでBryant氏の直属だったStacy Smith上級副社長兼最高財務責任者(CFO)は、Otellini CEOの直属となる。このほか、データセンター事業部門副社長のKirk Skaugen氏が、PC Client Group(PCCG)の責任者に就き、最高情報責任者(CIO)のDiane Bryant氏がSkaugen氏の後任となる。今後は、IT Global Operations and Services部門副社長のKim Stevenson氏がDiane Bryant氏の後任としてCIOを務めることになる。

 米Wall Street Journalは今回の人事異動で、Otellini CEOの後任候補のヒントが示されたと伝えている。Intelでは、Sean Maloney氏が次期CEOの最有力候補と目されていたが2010年に脳卒中を患った後、現在は中国事業の会長を務めている。Patrick Gelsinger氏も有力候補だったが2009年にIntelを去り、米EMCのCOOに就任している(関連記事:Intel有力幹部のMaloney氏が脳卒中、数カ月間の病気療養へ)。

 一方、米Bloombergは、今回の人事異動は、Intelの後継者計画と直接的に結びつくものではないが、新COOのKrzanich氏が次期CEOの有力候補として浮かび上がってきたと伝えている。

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