写真●DCSpider V3.0の開発画面
写真●DCSpider V3.0の開発画面
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 テラスカイは2012年1月19日、社内システムとSalesforceをノンコーディングでデータ連携させるミドルウエアの新版「DCSpider V3.0」(写真)を発表した。同年1月31日に出荷する。新版では、複数オブジェクトの同時更新など、より複雑なデータ処理を実行できるようにした。価格は、初期費用が250万円、サポート費用が年額50万円。

 DCSpiderは、Salesforceとの連携に特化したデータ連携ミドルウエアである。Force.com(PaaS)やSalesforce CRM(SaaS)など米Salesforce.comが提供するクラウドサービス群と社内システムとをノンプログラミングで連携させられる。DBMSの項目のマッピングやデータの変換/加工などを設定できる。Java APIやWebサービス、専用クライアントなど、各種の方法で起動可能。ベースとして、アプレッソが開発した汎用EAIミドルウエア「DataSpider」を利用している。

 新版では、複数オブジェクトを同時に更新できるようにした。これにより、例えば、1レコードでも書き込みに失敗した場合はすべてのレコードをロールバックする、といった処理を実現できるようになった。また、Salesforceの定義情報を参照/更新するMetaData APIを利用できるようにした。これにより、選択リストのマスター値や、項目やレコードタイプによる連動関係を変更できるようになった。

 新版では、連携先サービスとして、これまではベータ版としての扱いだった、クラウド型のRDBMS「Database.com」への接続機能とミニブログ「Chatter」との連携機能を、正式に搭載した。また、データ連携の手段も拡大した。Salesforceのデータ操作、DBMS接続(JDBC/ODBC、各種DBMSへの接続)、CSV/Excel出力、メール送信---などに加えて、Salesforce上にあるファイルの読み書き、SalesforceのレポートをCSV形式でダウンロード、Webサービスとして公開したApexプログラムの実行、などができるようになった。

 DCSpiderの稼働OSは、データ連携機能を提供するランタイムサーバーと、コマンドライン型の実行ツールが、Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008、およびRed Hat Enterprise Linux。データ連携ルールをビジュアル設計する開発ツールが、Windows。