2012年1月10日から13日まで米国ラスベガスで開催された「2012 International CES」では、多数のスマートフォンやタブレット端末が展示された。その中で目立った動きのひとつが、中国の家電メーカーの進出だ。
現在、スマートフォンやタブレットの分野ではSamsung ElectronicsやLG Electronicsといった韓国勢、HTCやAcerといった台湾勢が世界シェア上位を占めている。CESにおける存在感という意味でも、SamsungやLGは突出していた。だが、その激しい競争に割って入ってきていたのが中国メーカーである。低価格端末を中心に、ラインナップを増やしつつあり、CESの会場でも存在感を増していた。
中国メーカーの中で先行しているのは、ファーウェイやZTEといった日本でもよく知られている企業で、CESにおいてもLTE対応やデュアルコアCPU搭載端末を披露した。さらに特筆すべきはハイアールやハイセンスといった、従来は白物家電やテレビで知られるメーカーが台頭しつつある点だ。
低価格のスマホとタブレットを展示していた「ハイアール」
ハイアール(海爾集団)は、中国最大手ともいわれる総合家電メーカーだ。同社は冷蔵庫や洗濯機の分野で知られていたが、今後は本格的にスマートフォン市場に参入するという。CESのブースでは、Androidスマートフォン「HW-N80W」とAndroidタブレット「HaiPad」を展示していた(写真1)。
Androidスマートフォン「HW-N80W」(写真2)は、3.5インチで320×480ピクセルの画面を搭載し、3メガピクセルのメインカメラと0.3メガピクセルのフロントカメラも備える。価格は130ドル前後。背面パネルのカラーバリエーションも併せて展示していた。
一方「HaiPad」(写真3)は2011年夏に発表したAndroidタブレット。展示されていたのは画面が7インチのモデルで、画面解像度は1024×600ピクセル。16Gバイトのストレージを搭載する。5色のカラーバリエーションがある。
展示スタッフによれば、今後はハイアール製の家電製品との「スマート家電」的な連携も視野に入れていくという。