写真●米Broadcom ホーム/ワイヤレスネットワーキング事業部 ワイヤレスコネクティビティ・グループ ワイヤレスLANビジネスユニット シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーのマイケル・ハールストン氏
写真●米Broadcom ホーム/ワイヤレスネットワーキング事業部 ワイヤレスコネクティビティ・グループ ワイヤレスLANビジネスユニット シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーのマイケル・ハールストン氏
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 ブロードコムジャパンは2012年1月19日、5GHz帯を利用する次世代無線LAN「5G WiFi(IEEE 802.11ac)」に対応した無線LANチップを発表した。現行のIEEE 802.11n規格チップと比較して通信領域が広く、通信速度が約3倍、電力効率が約6倍に向上しているという。2012年半ばには、同チップを搭載した無線LANルーター、無線アクセスポイントが発売される予定だ。

 今回発表した5G WiFi対応無線LANチップは、「BCM4360」「BCM4352」「BCM43526」「BCM43516」の計4種。

 BCM4360は、最大伝送速度1.3Gbps、PCI Expressインタフェースを備え、3ストリーム802.11acに対応する。ルーターやアクセスポイント、ハイエンドパソコンに搭載するためのチップセットだ。

 BCM4352およびBCM43526は、最大伝送速度867Mbpsで2ストリーム802.11acに対応する。PCI Expressインタフェースを備えたBCM4352の用途は、ルーター、アクセスポイント、パソコンなど。USBインタフェースを搭載するBCM43526は、スマートテレビやセットトップボックス、Blu-rayプレーヤーなどに用いられる。

 BCM43516は、最大伝送速度433Mbps、シングルストリーム802.11acに対応し、USBインタフェースを備える。用途は、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末など。

 米Broadcom ホーム/ワイヤレスネットワーキング事業部 ワイヤレスコネクティビティ・グループ ワイヤレスLANビジネスユニット シニアバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーのマイケル・ハールストン氏(写真)は、5G WiFiについて、「現行の802.11nと比較して、通信帯域が広いだけでなく、通信範囲も拡大することが特徴だ。家庭内のどこにいてもHDビデオを視聴できるようになる」と説明した。

 同社の検証によると、同一住居内で、無線アクセスポイントを設置した部屋から40~60m離れた部屋での通信速度を比較した結果、802.11nは40M~60Mbpsだったのに対して、802.11acでは150M~250Mbpsと約5倍に向上した。また、アプリケーションの同期に必要な通信速度100Mbpsが確保できる距離は、802.11nは約30mだったのに対して、802.11acでは150M~250Mbpsは約80mだった。

 同社の5G WiFiチップ搭載製品の発売は、ルーター/アクセスポイントなどが2012年半ば、通信事業者向けのゲートウエイ装置などが2012年第3四半期~第4四半期、パソコンは2012年第3四半期~第4四半期、スマートテレビ/メディア機器が2012年第4四半期、携帯電話/タブレット端末が2012年第4四半期~2013年第1四半期になる予定だ。