米eBayは現地時間2012年1月18日、2011年第4四半期と通年の決算を発表した。第4四半期の売上高は33億8000万ドルで、前年同期比35%増加した。会計原則(GAAP)ベースの純利益は19億8000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は1.51ドル)で、前年同期の3.5倍以上に拡大した。非GAAPベースの純利益は同15%増の7億8900万ドル(希薄化後の1株当たり利益は0.60ドル)となる。

 GAAPベースの大幅な増益は、主にSkype事業売却に関する残りの投資の譲渡によるところが大きい。非GAAPベースでは売上増加による利益拡大が税率上昇によって一部相殺された。

 同社の社長兼最高経営責任者(CEO)のJohn Donahoe氏は「強力な第4四半期で1年の幕を閉じることができた。今後3年間の見通しへの自信が増した」と述べた。とりわけPayPalが好調で、毎月100万件のペースで新規アカウントが追加され、第4四半期末時点のアクティブアカウント数は前年同期比13%増の1億630万件に達した。またモバイル決済額は40億ドルに達し、前年同期の5倍以上に拡大した。

 事業別の業績を見ると、ECサイト「eBay」を含むMarketplaces事業の売上高は17億7200万ドルで、前年同期から16%成長した。取引総額(車両を除く)は同10%増の164億9000万ドルで、そのうち米国が61億5700万ドル、国外が103億3300万ドルだった。PayPalなどPayments事業の売上高は12億4000万ドルと、前年同期と比べ28%増加した。当期は国外の収入が国内収入を初めて上回った。決済総額は333億7200万ドルで同24%増加した。

 通年の売上高は116億5200万ドルで前年比27%成長した。GAAPベースの純利益は同79%増の32億2900万ドル(希薄化後の1株当たり利益は2.46ドル)、非GAAPベースでの純利益は同16%増の26億6700万ドル(同2.03ドル)だった。

 2012年の見通しについては、第1四半期の売上高を30億5000万~31億5000万ドルの範囲、希薄化後の1株当たり利益をGAAPベースで0.37~0.38ドル、非GAAPベースで0.50~0.51ドルの範囲と見込んでいる。通年の業績は売上高が137億~140億ドルの範囲と予測し、希薄化後1株当たり利益はGAAPベースで1.76~1.81ドル、非GAAPベースで2.25~2.30ドルの範囲と見ている。

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