国産Linuxディストリビューションを提供するミラクル・リナックスは2012年1月17日、企業向けOSの新版「Asianux Server 4 == MIRACLE LINUX V6」を発売した。Asianux Server 4は、米Red Hat社の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.1」をベースにしたもの。既にRHEL6.0ベースの評価版を昨年から無償提供していたが、今回正式版として提供開始した。

 Asianux Server 4は、RHEL6.1をベースにした上で、米Oracle社が提供する「Unbreakable Enterprise Kernel(UEK)」を組み込めるようにしている。UEKは、Oracle社が独自に拡張したLinuxカーネル。再起動せずに修正パッチを適用できる、カーネルトレーシングツール「DTrace」を備えている、などの特徴を持つ。UEKのほか、Oracle製品のインストールを支援するためのユーティリティ「Install Navigator for Oracle(ORANAVI)」もバンドルしている。

 ミラクル・リナックスは、Asianux Server 4で産業用機器OSの市場を獲得する狙いだ。そのために、5年以上の販売期間と7年以上の長期サポートを保証する。既に、「医療機器の端末用OSや監視カメラシステム用OSとして引き合いがある」(同社戦略推進部 江辺賢哉氏)という。国内ではターボリナックスのLinuxディストリビューションが産業機器分野で実績があるが、そのリプレースも意識している。

 価格は、産業用コンピュータ、アプライアンス機器向け10ライセンスが15万7500円、標準サーバー向けが6万3000円から。