写真●CA Application Performance Management 9.1の画面。ネットワーク監視データを表示している。
写真●CA Application Performance Management 9.1の画面。ネットワーク監視データを表示している。
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 CA Technologiesは2012年1月16日、Webアプリケーションの稼働状況を監視して性能改善に役立てるためのソフトの新版「CA Application Performance Management 9.1」(APM)を出荷した。新版では、アプリケーションの問題に加えて、ネットワークやサーバーの問題を診断できるようにした(写真)。価格は、中核機能「Introscope」で120万円(税別)から。

 APMは、Webアプリケーション(Javaおよび.NET)の性能を監視/分析するソフトである。性能のボトルネックを、ユーザー操作の視点から個々のJava/.NETクラスまで、粒度をドリルダウンしながら分析できる。アプリケーションサーバーの性能を内部監視する中核機能「Introscope」と、ユーザー視点でレスポンス性能を監視する機能「Customer Experience Manager」で構成する。オプションにより、ネットワーク上でHTTP通信をキャプチャして性能監視に役立てる機能も提供する。

 中核機能であるIntroscopeの特徴は、あらかじめ性能監視機能をアプリケーションに組み込んでおく必要がないことである。JavaVMや.NETの仮想マシン(CLR)がアプリケーションの機能(クラス)を読み込むタイミングで、性能監視用のプローブを埋め込む仕組みをとっている。システム開発時の運用テストや、本番稼働環境の性能監視で使うことを想定している。

 今回の新版では、性能診断/分析ソフトの機能を強化した。具体的には、既存の監視対象(アプリケーションサーバーの内部性能、Webクライアント側でのレスポンス性能、HTTPキャプチャ監視)に加えて、TCP/IP通信全般のキャプチャデータを組み合わせて診断/分析できるようにした。このための前提として、ネットワーク監視ソフト製品群「CA Network Performance Management」(NPM)やCA製のパケットキャプチャ用アプライアンスが必要になる。

 APMと組み合わせて使うNPMの周辺装置として、パケットキャプチャ用のアプライアンスの新機種も用意した。具体的には、TCP/IP全般のキャプチャ装置(各種のデータ取得アプライアンス)の機能と、これまでAPM向けに提供してきたHTTP専用のキャプチャ装置(ソフトウエアアプライアンス)の機能を、1台の新機種「マルチポート・コレクタ・アプライアンス」でまかなえるようにした。