米ホワイトハウスは現地時間2012年1月14日、物議を醸している新たなオンライン海賊行為防止法案「Stop Online Piracy Act(SOPA)」などについて、「オンラインでの知的資産保護ではインターネットのオープン性と革新を脅かしてはならない」として同法案を支持しない声明を発表した。

 ホワイトハウスは、国外サイトによるオンライン海賊行為が米国にとって深刻な問題であり、厳格な法的対策の必要性を強調しながらも、表現の自由を奪い、セキュリティリスクの拡大と革新的なインターネットの衰退を招くような法律は支持しないとの姿勢を示した。

 声明の中では特に、SOPAで提案しているDNSサーバーでのコンテンツフィルタリング手法が、サイバーセキュリティを真のリスクにさらし、一方で不正商品やサービスをアクセス可能な状態に放置する危険性を指摘している。

 SOPAは現在下院で審議され、上院では同様の法案「PROTECT IP Act」が提議されている。映画業界などはこれら法案を歓迎しているが、米Googleや米Facebook、米Twitter、米Yahoo!をはじめとするネット関連企業や、米電子フロンティア財団(EFF)などが異議を唱えている(関連記事:GoogleやFacebookなどネット関連企業、海賊行為防止法案に共同で異議声明)。

 ホワイトハウスは、「オンラインの海賊行為は米国経済に損害を与える問題であり、中流階級の多数の雇用が脅かされ、米国の最も創造的で革新的な大手および新興企業の一部が痛手を受けている」として、上記に挙げた信条に従いつつ、米国外で行われている著作権侵害を撲滅するための有効な法律を今年中に可決するよう関係者が一致協力することを呼びかけている。同時に、コンテンツ作成者とインターネットサービスプロバイダの双方が、オンライン海賊行為対策の自主規制とベストプラクティス導入に取り組むことを期待している。

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