米Gartnerと米IDCは現地時間2012年1月11日、世界パソコン市場に関する調査結果をそれぞれ発表した。Gartnerの速報値によると、2011年第4四半期の世界出荷台数は前年同期比1.4%減の9220万台で、同社事前予測の1%減よりわずかに減少が大きかった。一方、IDCの報告は同0.2%減の9270万台で、事前予測の0.6%減より小幅にとどまった。

 両社は第4四半期の出荷台数が前年同期を下回った主な要因として、タイの洪水被害によるハードディスク装置(HDD)の供給不足、西欧の景気低迷、タブレット端末など他の消費者向け電子機器の台頭を挙げている。

 ベンダー別に出荷台数を見ると、米Hewlett-Packard(HP)がトップを維持し、中国Lenovo Group(聯想集団)が2位に付けた。3位は米Dell、4位は台湾Acer、5位は台湾ASUSTeK Computer(ASUS)だった。HPは最大シェアを占めたものの、出荷台数はGartnerの数値で前年比16.2%減少、IDCの数値で15.9%減少している。Lenovoの出荷台数はGartnerで23.0%増、IDCで36.8%増と大きな伸びを見せた。ASUSも好調で、Gartnerは20.5%増、IDCは26.3%増と報告している。

 2011年全体のパソコン出荷台数は、Gartnerのデータでは前年比0.5%増の3億5280万台、IDCのデータでは同1.6%増の3億5240万台となっている。またIDCによると、米国は前年を約5%下回り、2001年以来最悪の年となった。ちなみに2001年はY2K(2000年問題)の影響やITバブル崩壊により11.7%落ち込んだ。

 今後の見通しについて、GartnerはHDD供給不足の影響が2012年前半に大きく現れ、場合によっては2012年を通じて続くと見ている。そのため一時的に2012年の成長率は低下する。IDCの予測では、2012年第1四半期はHDD供給不足で大打撃を受けるが、その後回復し、第4四半期には15%以上成長する。2012年全体の出荷台数は5.4%増の3億7100万台を見込んでいる。

[Gartnerの発表資料]
[IDCの発表資料]