NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス(イー・モバイル)の携帯電話事業者4社は2012年1月12日、名古屋市営地下鉄のトンネル内において携帯電話サービスを同年3月以降順次提供すると発表した。

 まずは東山線の名古屋~今池駅間において2012年3月以降順次、駅間のトンネル内を携帯電話のサービスエリアとする。乗客は、走行中の地下鉄の車内で携帯電話を使いパケット通信が可能になる。各社の3Gサービスのほか、NTTドコモのLTE方式のサービス「Xi」も利用可能。音声通話も仕組み上は可能だが、各社では車内での音声通話を控えるよう呼びかけている。名古屋市営地下鉄においては、名古屋~今池駅間以外の東山線と、名城線、名港線、鶴舞線、桜通線の各線でも、2012年4月以降順次サービスを提供予定としている。

 今回の区間では、トンネルに沿ってアンテナの一種である漏洩同軸ケーブル(LCX)を敷設することで、駅間のトンネル内に電波を到達させる仕組みを採っている。

 鉄道のトンネル内で携帯電話が利用できる路線は、東海道新幹線、山陽新幹線(新大阪~三原駅間)、東北新幹線(東京~仙台駅間)、九州新幹線、東急田園都市線(渋谷~二子玉川駅間)、東急目黒線(目黒~洗足駅間)、東京モノレール、つくばエクスプレス、JR東日本・京成電鉄(成田空港駅付近の共用トンネル内)、広島高速交通アストラムライン、福岡市営地下鉄空港線などがある。

 このほか、東京メトロでは2012年3月に南北線(本駒込~赤羽岩淵駅間)でサービスを開始し、2013年3月末までに全線に拡充予定。都営地下鉄では2012年3月に新宿線(新宿~九段下駅間)で、2012年12月末までに全線でサービスを提供予定である。