米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2012年1月12日、専用線経由で同社のクラウドサービスが利用できる「AWS Direct Connect」を、日本国内で開始した。ユーザー企業はインターネットを介さずにAWSのクラウドを利用できるようになるため、通信の安定化やセキュリティの強化が期待できる。

 AWS Direct Connectは、米エクイニクスの「エクイニクス東京2(TY2) IBXデータセンター」にある、AWSのクラウドに直結した専用ゲートウエイのポートを、従量課金で利用できるというサービスである。ユーザー企業は、エクイニクスTY2データセンターでシステムを運用したり、同データセンターまで専用線で接続したりすれば、AWSのクラウドを専用線経由で利用できるようになる。

 AWSはデータセンターの場所を顧客に開示していないため、東京周辺に数カ所あるというAWSのデータセンターに、ユーザー企業が直に接続することはできない。その代わりに用意したアクセス手段が、AWS Direct Connectである。AWSの発表に合わせて、KVH、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンクテレコム、野村総合研究所の4社が、ユーザー企業のシステムと、AWS Direct Connectのポートまでを専用線で接続するサービスを開始している。

 AWS Direct Connectの使用料金は、ポートの数と、AWSのクラウドから外部へ向かうデータ転送量で課金する。ポートの使用料金は、1Gビット/秒のポートの場合で1時間当たり0.3ドル、10Gビット/秒のポートの場合で1時間当たり2.25ドル。データ転送量は1Gバイト当たり0.045ドルである。このほかに、エクイニクスのデータセンターまでの専用線接続料金や、エクイニクスのデータセンター内でのネットワーク接続料金などが必要となる。