写真●日立WANアクセラレータ
写真●日立WANアクセラレータ
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 日立製作所は2012年1月12日、WAN高速化装置「日立WANアクセラレータ」の販売を開始した(写真)。価格は最小構成で6000万円で、2月29日から出荷を開始する。本田技研工業への導入が決まっている。日立製作所とホンダが共同で実施した実証試験では、日米間のファイル転送時間を15分の1に短縮できたという。

 日立WANアクセラレータの特徴は、キャッシュや圧縮技術を利用せず、拠点間のTCP通信の最適化に特化した点にある。具体的には(1)ACK(送達確認)を待たずにパケットを送信、(2)パケット誤り率を推定してパケット送信量を決定、の2種類の技術を用いる。一般的なTCP通信とは異なり、ウィンドウサイズを利用した制御は行わない。

 こうした技術を利用することで、遅延の大きな国際ネットワークにおいても高い通信速度を確保する。ACKの返答を待つために送信しない時間が発生したり、パケット誤りの増加で再送要求が増えたり、といった通信速度を低下させる事態を防ぐ。