技術の進歩やパソコン業界の変化、企業向けサーバーやストレージの新アーキテクチャ、ハードディスク駆動装置(HDD)の短期的な供給不足といった要素が複合的に影響し、世界の半導体ディスク(SSD)市場は規模を拡大していく――。こうした調査予測を米IDCが現地時間2012年1月9日に公表した。

 それによると2010年に24億ドルだったSSDの世界売上高は、2011年に105%増の50億ドルに達しており、2012年以降も市場は拡大する見通し。

 「2011年は、企業とクライアント市場でSSDの出荷台数が急増し、売り上げが2倍以上に伸びるなど記録的な年となった」とIDCの調査ディレクター、Jeff Janukowicz氏は述べている「企業でSSDを使ったシステムの導入が増えたこと、モバイル端末が爆発的に普及したこと、SSDの低価格化といった要素が複合的に作用し、我々の予想を上回った」としている。

 IDCは、2010年から2015年にかけて世界のSSD出荷台数が年間成長率(CAGR) 51.5%で伸びると予測している。SSDの価格は2012年下半期には1Gバイト当たり1ドル以下にまで低下し、パソコン分野で普及が加速すると同社は見ている。

 このほかSSD市場が拡大する背景として同社は、タブレット端末とUltrabookの普及、Windows 8の登場、SSDとHDDを組み合わせたデュアルドライブの普及といった要素があると分析している。

 またタイの洪水被害により、HDDの供給不足や価格高騰に直面するのが避けられない状況になっている。その需給ギャップを埋めようとパソコンメーカーはSSDに注目しておりSSDメーカーは短期的だが大きなチャンスを得るという。HDDに代えてSSDを採用しようとする企業の動きも市場の成長を加速させるとIDCは予測している。

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